【大林紅子通信員=宮城県石巻市】石巻で生まれ育った人なら殆ど知らない人はいない、ローカルソウルフード「かきあめ」。震災後にその姿を消し、再販の目途も立っていなかった幻の味が、地元石巻の方の手によってついに甦りました。
初代の味を可能な限り再現
2代目の「㈱喜栄」さんから商標権を引継ぎ、石巻銘菓「かきあめ」製造工場の「3代目」の社長となったのは、市内で珈琲工房を営む「株式会社いしかわ」の社長石川光晴さんです。
地元石巻の出身である石川さんは伝統の「かきあめ」の生産が途絶えてしまった事を知り、3年以上前から今度は是非初代「福田屋」の味を再現したい、と考えていたそうです。そのためパッケージの表記も「かき飴」ではなく「かきあめ」と元の平仮名に戻しました。
そして当時の味を復元するために福田屋のかきあめの味を覚えている年配の方々に数えきれないほど試食をお願いしました。材料の配合の微調整を繰り返し、今回ようやく納得のいくものが出来た、といいます。「試食をお願いした方からも、懐かしい味だなあ、と有り難い声を頂きました」
「懐かしい!」石巻に広がる喜び
3代目石川社長による「石巻銘菓 かきあめ」は12月7日から石巻市内を中心に販売が開始されます。復活を待ち望んでいた石巻の人達からは販売前から「懐かしい!」「あの味が大好きでした。嬉しい」という声があがっています。新しい「かきあめ」は直径1㎝ほどの円形。「いずれは牡蠣殻を模したあの形状も復活させていきたいですね」と石川さん。「石巻を代表する銘菓として全国の皆さんに味わっていただきたいと思っています」そう話しながら完成したばかりの「かきあめ」を手にする姿からは得も言われぬ喜びが伝わってきました。
「かきあめ」は小袋(ワンドリップ珈琲と同じ大きさのもの)を税込160円、60g入りを税込380円、石巻の香りブレンド三つと小袋のセットを税込660円で販売。石巻市内の石巻げんきいちば、石巻ASATTE、珈琲工房いしかわ本店などのほか、女川あがいんステーション、仙台駅ビルS-PAL地下のいしかわS-PAL店でも購入できます。
☆震災で途絶えていた「2代目」かき飴の製造元、㈱喜栄の今野雄夫さんに取材した記事もあわせてお読みください!
震災で失われた幻の味「かき飴」は今 宮城・石巻
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