【大泉さんご】2022年12月3日、仙台市の宮城野区中央市民センター創作室で、小学生を対象とした講座「原町商店街を彩る!ちょこっとDIY〜まつぼっくりドーム〜」が開催された。企画したのは、地域課題の解決に向け、地域の人の自発的な学習活動を支援したり、多様な人の連携を調整したりする「社会教育士」を目指す東北学院大学の3年生5人。約半年にわたる宮城野区中央市民センターでの「社会教育実習」の集大成として、一から企画を練った。今回の講座に込めた、地域への思いに迫る。
子どもたちの個性あふれる松ぼっくりドーム
「可愛くできたよ!」と夢中で作成に取り組んでいた子どもたちから声が上がる。作成したのは、松ぼっくりを、ペットボトルの上部約15cmで切り取ったドームに閉じ込めた「まつぼっくりドーム」。中身の飾りは、ハリネズミとクリスマスツリーの2種類だ。材料は、宮城野区中央部に位置する「枡江の森」で学生たちが拾った松ぼっくり。枡江の森は、自然環境を守り、豊かな緑を未来へ引き継いでいくための「特別緑地保存地区」に指定されており、仙台市で4ヶ所ある保存地区の1つだ。松ぼっくりに加え、色とりどりのビーズやリボン、雪に見立てた綿などが用意された。
5歳〜小学校5年生まで14人の子どもたちは、「キラキラシール貼ろうかな…」、「粘土をたくさんつけたらライオンになったよ」と思い思いに工夫を凝らす。自由な発想の子どもたちに、学生は優しく声をかけたり、難しいところを手伝ったりと、一人ひとりに寄り添った。企画した学生の1人、大槻たゆらさんは「試作も重ねましたが、子どもたちのアイデアに驚かされた」と話す。完成した松ぼっくりドームは、12月9日〜31日までJR陸前原ノ町駅近くの原町商店街店舗8ヶ所で飾られ、クリスマスの町を彩った。
枡江の森を知って欲しい×原町商店街を盛り上げたい
講座は、「社会教育士」を目指す学生の授業の一環だ。学生は8月から、実習に取り組んできた。宮城野区の地域理解を深めるためのフィールドワークでは、国の有形文化財に指定された工場がある納豆製造所や、ご当地「みやぎのカルタ」を作成した市民企画員などの元に赴いた。
今回の企画のきっかけは、フィールドワークで出会った、枡江の森発信プロジェクトメンバーからの「枡江の森がなかなか知られていない」、原町商店街の「江戸時代からの歴史ある商店街をもっと盛り上げたい」という声。さらに、商店街の会長からの「学生さんに商店街を盛り上げてもらえたら嬉しい」という言葉に背中を押された。
講座企画に向け、動き出したのは9月。学生の鈴木ひかりさんは、「実習前は宮城野区のことをあまり知らなくて。実際に足を運んで皆さんに話を聞いたことが、枡江の森の松ぼっくりで作ったドームで原町商店街を彩るという今回の企画に繋がった」と振り返る。同じく遊佐日菜子さんは「宮城野区の隠れた魅力を子どもたちにも知ってもらえたら」と思いを込めた。
地域の課題を知り、解決に貢献する社会教育士に
教員、公務員、企業など学生たちが目指す将来はそれぞれ。地域の人の力を引き出し繋げる社会教育士として、これからは様々な場所で今回の学びを活かしていく。
▶︎「社会教育士ってなに?」
https://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/what.html(文部科学省ホームページ)
▶︎「原町商店街」
https://haranomachi.net(原町商店街ホームページ)
▶︎「知られざる仙台の『枡江の森』の魅力、市民が案内する散策会を企画」
https://tohoku360.com/masue-forest/(TOHOKU360)
▶︎「(2022年)12/31まで展示!原町商店街を彩る☆彡『ちょこっとDIYまつぼっくりドーム』を見に行きませんか?」(仙台市市民活動サポートセンターのブログより)
https://blog.canpan.info/fukkou/archive/3926
この記事はTOHOKU360と宮城野区中央市民センターとのコラボ事業「東北ニューススクールin宮城野」の参加者が執筆した記事です。宮城野区の市民活動を取材した参加者たちが、地域の課題に取り組む人々の活動や思いに迫ります。
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