コロナ禍で誕生した「焼き鳥無人販売機」が人気 宮城・石巻市

【若栁誉美(宮城県石巻市)】新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、「ソーシャルディスタンス」を保つ販売方法として、自動販売機や無人販売が改めて注目を集めている。これまでになかった物や食品の販売機が続々と登場するなか、記者は宮城県石巻市で「焼き鳥無人販売機」があるとの情報を耳にした。噂を確かめるべく、「焼き鳥無人販売機」の設置者を取材した。

「自販機風デコレーション」で売上を回復

「焼き鳥無人販売機」があるのは、石巻市の焼き鳥店「焼き鳥 翔輝」。自動販売機と全く同じサイズで、遠くから見ると一般の自動販売機と見分けはつかない。

近くまできて、その中にあるものが焼き鳥、とわかる

設置したのは同店長の草野雄太さん。新型コロナウィルスの影響を受け、草野さんのお店でも売り上げが大きく減少。対策として「非対面」の方法での販売を考えていたところ、元々店頭販売で使用していた保温器を「自動販売機風にデコレーションをしてはどうか?」というアイディアが出た。そこで手作業でペンキを塗り、手書きで文字を書いて、自販機風の「焼き鳥無人販売機」を制作。このゆるさがウケてか、保温器だけだったときと比較して売り上げが10倍近くに増加したそう。

(動画提供:草野さん)

「持ち逃げ」の心配はないの?

この販売機だけでなく、野菜の無人販売機などをみても気になるのは「お金を入れずに持っていくことができてしまうのでは?」という点。この点を草野さんに伺うと、意外な答えが返ってきた。「少なかったことはないです。むしろ多く入っているときがあります」

無人販売のため、お釣りがない場合は店内の店員さんに声をかければよい。店内からも「あ、今お客様がいるな」とわかるくらいの距離だ。「今、飲食店が大変なことを気にかけて、募金をしてくださってるんだな、応援してくれているんだな、と受けとめています」(草野さん)

コロナ禍で大きな影響を受けている飲食店。草野さんは「新しい動きをやっていかないと、この先長く続くであろうこのコロナ禍を乗り越えることはできないと考えている」と話す。今後同様の無人自販機は石巻市内の飲食店に5つ設置される予定で、「石巻だけではなく、みんなに真似してほしい」と語ってくれた。 

やきとり無人販売機と草野さん

このコロナ時代にソーシャルディスタンスを保つ究極の販売方法、それが「無人販売」。東北各地のちょっと変わった自販機や無人販売をご存知の方は、ぜひtwitterで #東北の無人販売 で投稿して下さい。記者があなたの街の「変わった無人販売」を調査して記事化するかもしれません!

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