東北に「誰でも入れる」日韓交流団体を 仙台市で市民団体が発足

TOFAホームページ

鈴村加菜】東北地方の日韓交流を包括的にサポートする市民団体となることを目指し、仙台市で今年4月、「東北日韓友好交流連合会(TOFA)」が設立された。TOFA立ち上げの中心となった会長の中村知史さんに、東北地方の日韓交流の歩みやTOFA立ち上げのきっかけを伺った。

東北の日韓交流の拠点に

中村さんは、韓国の大学での留学を経て、仙台市の韓国語通訳を20年以上務めている。これまで、仙台市と韓国・光州広域市の姉妹都市交流など、様々な日韓交流活動に携わってきた。その中で、「仙台市を始め、東北地方には日韓交流に関わる、『誰でも入れる』市民団体がないことが気になっていた」という。また、日韓交流に関連した行事が行われる際には、市民から通訳などのボランティアを募集し、勉強会を開いて、行事が終われば解散、ということが繰り返されてきた。中村さんは「せっかく韓国語ができる人、韓国が好きな人が集まっても、その場限りで終わってしまうことを、いつももったいないと感じていました」と振り返る。

過去に開催された日韓交流イベントの様子(中村さん提供)

交流会で立ち上げを決意

そこで、中村さんは数年前から、「東北の日韓交流に関わるさまざまな団体を繋ぎ、イベント時には通訳ボランティアなど様々なサポートをする一般市民による団体を作れないか」と考えるようになった。手始めに、昨年、これまでに出会った日韓交流に携わる人々の協力の下、韓国留学経験のある人や長く韓国語を勉強している人を集め、交流会を開いた。参加者同士、オンライン上での交流を何度か重ねるうち、多くの人が中村さんと同じ意識を持っていることがわかり、「このメンバーで団体を立ち上げよう」という流れになった。

TOFAの前身となった交流会の様子(中村さん提供)

韓国語を使って活躍できる場を増やしたい

中村さんは「正直、最初の交流会は『仙台に韓国語ができる人って実は結構いるんじゃないか。集めたらどれくらいになるかな』という軽い気持ちからやってみたのですが、思ったよりもたくさんの人たちが集まってくれて、団体の立ち上げにも賛成してもらえました。そして、参加者の中には普段は別の仕事をしていて、韓国語を使う機会はほとんどない、という方も結構いたんですね。TOFAを作ったのには、そういった方々が活躍できる場を少しでも増やしたい気持ちもありました」と話す。

TOFAの立ち上げメンバー(中村さん提供)

今後の活動は、10月に開催予定の「日韓文化交流フェスティバルin仙台」などの日韓交流行事への韓国語通訳ボランティア派遣などのサポート、日韓交流などに関する情報発信を予定している。

韓国在住の作家を招いたトークショーを開催

7月には、韓国でも日本でも話題になっている小説「僕の狂ったフェミ彼女」の著者と翻訳者によるトークショーが予定されている。中村さんは、トークショーについて「著者のミン・ジヒョンさんは、東北大学に留学していた経験をお持ちです。この本は、主人公の男性視点で描かれているのですが、『好きな人がフェミニストになっていた』という衝撃的なところから始まります。今、韓国では『フェミニスト』と呼ばれる若い世代の女性が増えていたり、若い世代の男女の間に溝があったりと、日本では見られないような状況があるそうです。今回のトークショーでは、その背景など、著者ご本人から興味深い話が聞けるのではないかと、私自身、楽しみにしています。興味のある方がいらっしゃればオンラインでご参加いただけます」と呼びかける。

申し込みフォームはこちら

※ミン・ジヒョンさんのトークショーは7月18日にもオフラインで予定されています。

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