「中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)の記念式典では、ことし初めて政府高官や来賓が各地の伝統衣装を着用、文化の多様性を全面に押し出すことで国是『多様性の中の統一』の重要性を強調した」(じゃかるた新聞)
全国各地で独立を祝う催しが開かれましたが、バリ・ウブドでも市街地の中心、モンキーフォレスト通りにあるサッカー場周辺に数千人の人々が集まり、盛大に式典が行われました。午前9時過ぎ、制服に身を固めて整列する警官、兵士、官公庁職員、小・中・高校生らの中へ、白の制服を身に着けた国旗掲揚隊の高校生30人余りが入場。国旗と独立宣言文を受け取り、掲揚台の前まで行進し、国歌「インドネシア・ラヤ」に合わせて、メラプティを高々と掲げました。
今年は、例年に比べて、華やかな雰囲気が強まったような感じを受けました。一説によると、最近、独立記念日の関心が、やや薄れ気味なので、政府をはじめ各機関で、式典の盛り上げを図ったということも聞きました。イスタナでは、自分の出身地でなく、他の地域の衣装を身に着け、しかもハビビ第3代大統領、メガワティ第5代大統領、ユドヨノ第6代大統領がジョコ・ウィドド大統領の呼びかけで、横一列に並んで記念写真におさまるという、姿も見られたそうです。
ビラ・ビンタンの近くでは、隣りのホテル・ワパデウマの中で制服に身を固めたスタッフたちが宿泊の外国人が見守る中、国旗掲揚の儀式を行う風景も、初めて見ました。
このほか、バリでは、当日までに、いろいろなイベントが盛大に行われていたようです。南クタ地区にあるパンダワ海岸の断崖絶壁には、長さ400m、幅4mのメラプティが掲げられたそうです。バリ州警察が独立記念行事として主催し、救命救急隊、自然保護団体、学生らが協力して実施し、インドネシア記録博物館は崖に掲げた最長の国旗として記録認定しています。
またサヌールでは、フェスティバルに合わせ、国家5原則パンチャシラとガルーダの国章を象った氷の彫刻が披露され、注目を集めたそうです。
[box]【光森史孝】1995年、神戸新聞社在職中、友人ら5人とインドネシア・バリ島のウブド村にコテージを取得し、神戸新聞社を定年退職後、ウブド村に移住。コテージ「Villa Bintang Ubud(ビラ・ビンタン・ウブド)の経営をバリの古くからの友人に委ね、バリ島の環境保護のための植林活動や日本・バリの高校生交流の手助けなどをしながら妻と二人で暮らしている。ウブド村の日々をつづったメーリングリスト「ウブド村暮らし通信」を発行。「TOHOKU360」には「ウブド村」通信員として参加、「ウブド村暮らし通信」から選んだ記事を不定期で掲載中。[/box]
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