震災前から変わらない、石巻の春の穏やかな表情

平塚千絵=宮城県石巻市】春のお彼岸の墓参りのため20日、親族が住む石巻市渡波地区へ行ってきました。石巻市内でも海に近い渡波地区は、東日本大震災の津波で大きな被害を被った場所です。

震災から9年経った現在、沿岸部には更地や新たに防潮堤の工事が進んでいる一方、地区の中でも内陸部には復興公営住宅やコンビニエンスストアや中学校、消防署などが立ち並び、新しい街並みが作られるなど、町の様子も大きく変わってきました。

一方で、震災前から変わらない風景もあります。その一つが海。お墓のある山の上のお寺から、春の穏やかな海を望むことができました。津波で荒れ狂う海の印象が強い人も少なくないと思いますが、「石巻の海の穏やかな表情」を全国の方々に知ってもらいたいと思い、ここに記しました。

お墓参りの帰りに寄った地元スーパーでは、店内の至る所に、たくさんのポップ(というより垂れ幕?!)がぶら下がっていて驚きました。こちらのお店は、魚をはじめとする新鮮な食材と、リーズナブルな250円弁当(税別)が名物の、「地域の台所」のような場所です。店内は地元の人たちで賑わっていました。

一文一文、まっすぐな愛がこもったポップを眺めていると、元気とともに、購買意欲がわいてきました。活気あふれる地元スーパーで、浜ならではの力強さや明るさといった気質を体感したのでした。