【若栁誉美=仙台市】「いぎなし」「おはよう靴下」「んだがら」……日常で使われる仙台弁を使いこなす愛らしいこけしのキャラクター「仙台弁こけし」が、宮城県を中心に人気を集めている。3年前からLINEスタンプやツイッターに現れ、昨年からは着ぐるみも登場したこの「仙台弁こけし」。いわゆる “ゆるキャラ”の中でも特徴的なのは「話すこと」で、話す言葉は仙台弁である、ということだ。仙台市内の公園で「仙台弁こけし」本人と待ち合わせ、「話すこけし」キャラクターの誕生秘話を取材した。



「仙台弁こけしだっちゃ〜」と喋りながら歩いてくるこけし

「仙台弁こけし」と待ち合わせをしたのは、すぐ隣にはベガルタ仙台の本拠地であるユアテックスタジアム仙台もある、仙台市泉区の七北田公園。記者が公園の一角に立っていると、遠くから独特の歩き方で近づいてくる「こけし」の姿が。

「仙台弁こけしだっちゃ〜。今日はね、お天気がいいから、七北田公園さ遊びに来たっちゃね〜。いやあ〜子供連れだのね、いっぺーいて、楽しいなや〜」。 ディープな仙台弁で記者に喋りかけながらこちらに向かってくる、「仙台弁こけし」さん。

「こけし」が「仙台弁」を話すことの意義とは

深まるこのキャラクターの謎を解き明かそうと、記者は「仙台弁こけし」と七北田公園を一緒に散歩しながら取材することに。すると、「こけしちゃんだ!」「一緒に写真撮ってください!」と、公園に遊びにきていた子供たちや親子連れから声をかけられる。「仙台弁こけし」さんはその度、「あったけくてよがったなや〜」「仙台弁こけしって知ってるすか?」と、流暢な仙台弁で返事を返す。

なぜ、こけしなのか?そしてなぜ、仙台弁を喋るのか?この日着ぐるみ姿の「仙台弁こけし」とともに公園に来てくれた、キャラクターの生みの親・宮城県在住のイラストレーター・ジュゴさんにお話を聞いた。「こけしって、だいたいどのおうちにもあったと思うんです。私がおばあちゃん子だった、というのもあるのですが、仙台弁に小さい頃から触れていて。文字として言葉は残すことはできるけど、イントネーションや温かみは喋っている言葉でないと残せませんよね」

記者は仙台市泉区の七北田公園を一緒に散歩しながら取材を敢行した(若栁誉美撮影)

仙台弁こけしのLINEスタンプや現在販売されているグッズには、日常で耳にする仙台弁と、その状況の仙台弁こけしのイラストがセットで描かれており、仙台弁を知らなくてもその言葉が使われる状況を理解しやすい。比較的濁点が多く、耳で聞くと若干強めに感じることがあることもある仙台弁だが、そこは着ぐるみ姿の「仙台弁こけし」さんの優しい声がカバーする。

多くの家庭の棚にある「こけし」。身近なキャラクターであるこけしが、昔ながらの仙台弁を「話す」ことで、仙台弁を生きた形で若い人たちにも自然に受け継いでいける。「仙台弁こけし」はそんな発想から生まれた、地域にとって意義深いキャラクターだったのだ。

世代を超えて地域に愛されるキャラクターに

「あったけくてよがったなや〜」と話す仙台弁こけしさん(若栁誉美撮影)

仙台弁こけしは世代を超えて地域の人々に愛され、人気キャラクターに育っている。今年3月には、地元の製麺会社とのコラボ商品で「仙台弁こけし®白石温麺(うーめん)」が発売された。 オリジナルのシールもついていて、県外の物産展でも評判は上々だという。5月3日から5日には、同市で開催された「全日本こけしコンクール」にも登場した仙台弁こけしから、今後も目が(いや、 耳も)離せない。




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