東北大学が青葉山と川内に「起業家育成拠点」をオープンした理由

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【PR記事】東北大学は2022年2月、起業家育成拠点「青葉山ガレージ」と「川内ガレージ」を開設した。東北大生や教員、起業支援関係者なら誰でも使えるコワーキングスペースで、起業の相談から法人登記まで可能だ。学内に「起業家育成拠点」を開設することで、何を生み出そうとしているのか?施設のオープンに向け奔走した人々に、その思いを聞いた。

起業相談や法人登記もできる学内コワーキングスペース

記者は3月、青葉山キャンパスにある「青葉山ガレージ」を訪れた。地下鉄東西線「青葉山駅」から歩いてすぐの「マテリアル・イノベーション・センター」という建物に入り、エレベーターで4階に上る。

赤丸が「青葉山ガレージ」のある建物。地図に弱い記者も迷わず到着(東北大学HPより)

表札を目印に扉を開けると「ここが本当に大学?」と感じるようなスタイリッシュな空間が広がっていた。まず目に入るのが、起業やビジネス関係の本がずらりと並ぶ大きな本棚。

本棚の間にある入り口を抜けると、広々とした空間で大学の職員や起業支援関係者が仕事をしていた。仕事や作業ができるコワーキングスペースとしての活用はもちろん、仙台市のベンチャーキャピタル「MAKOTOキャピタル」や東北大学産学連携機構スタートアップ事業化センターの社員が常駐しているので、学内関係者はいつでも起業やビジネスの相談に来ることが可能だという。

コロナ禍で急速に導入が進んだオンライン会議にも対応するため、個別ブースや個室も複数設置している。青葉山ガレージは条件を満たせば法人登記も可能で、すでに東北大学発のベンチャー企業がこの場所に入居し法人登記している。

空間を広く使える青葉山ガレージでは今後、さまざまな実験的なイベントやプログラムの開催も予定しているとのこと。一方で川内キャンパスの東北大学附属図書館の中にある「川内ガレージ」は、人が立ち寄りやすい好立地を生かし、起業に関心を持ち始めた学生や教員らの出会い、情報交換の場として活用を進めていく考えだという。

東北大学附属図書館の中に誕生した「川内ガレージ」

「東北大学の起業文化はここから始まった」と語り継がれる施設に

実は東北大学が「起業家育成拠点」を設置したのは今回が初めてではない。大学は2017年に青葉山キャンパスの「T-Biz」という施設の一室に「東北大学スタートアップガレージ(TUSG)」を開設。MAKOTOキャピタルが施設を運営し、学生や教員の起業を促進するための相談業務やイベントの企画・運営などを続けてきた。今回この施設を移転し拡大することで、これまで利用者からも要望の多かったコワーキングスペースや法人登記の利用といった機能も備えた施設に進化した。

東北大学スタートアップ事業化センターの石倉慎也さんは「東北大学で起業を志す人や起業経験者、支援者や投資家などが集まるコミュニティを形成することをねらいとして、TUSGはスタートしました。今回オープンした両拠点を『東北大学の起業文化はここから始まった』と語り継がれるような拠点にしていきたい」と意気込む。

東北大学スタートアップ事業化センターの石倉慎也さん

学生や教員に「起業」意識の芽生えも

施設の運営には引き続き、MAKOTOキャピタルが関わる。2017年のTUSG開設以来、同社は東北大学の学生や教職員を対象にしたビジネスコンテストや、学生が起業のアイデアを深める「ゼロイチゼミ」起業家や投資家を招いた合宿、東北大学発の起業家に話を聞く「スタートアップカフェ」など、学内で起業家を育てるためのさまざまな取り組みを展開してきた。

東北大生が起業アイデアを深める「ゼロイチゼミ」(2019年)

施設の開設時から運営を担当する同社の小山田有裕さんは、大学にTUSGが開設されてからの学生たちの変化をこう話す。

「学生の起業に対する意識は、明らかに高まっています。開設当初、学内のアントレプレナーシップ(起業家精神)に関する授業で学生に『自分の周りに起業した人はいますか?』と聞いたら、挙手する人はほぼいませんでした。でも今聞くと、8割くらいの学生が手を挙げます。明らかに潮目が変わったな、と。起業家の母数が増えているのもそうなのですが、高橋君小林君タミル君など学生起業の代表的な事例が出てきて、学内のロールモデルとなっているのが大きい。そしてその学生の周りには自然とコミュニティができ、それが次の起業の芽を育ててきていると感じます」

東北大生のビジネスアイデアコンテスト(2021年)

東北大学100%子会社のベンチャーキャピタル「東北大学ベンチャーパートナーズ(THVP)」の山下翔さんは、教員の変化も口にする。「当初は誰もが知る研究の第一人者の方の起業事例が多かったのですが、最近では、若手で新しい分野を研究している先生からの相談が増えてきています。東北大学はもともと理念の一つに『実学尊重』を掲げていて、他の大学と比べると社会実装に近い研究がされてきた。そうしたカルチャーが脈々と受け継がれてきたことも『起業』を後押しする背景になっていると思います」

仙台、宮城、東北からスタートアップを生み出す拠点に

東北大学の大野英男総長は、2018年に発表した東北大学ビジョン2030の中で「2030年までに東北大学発ベンチャーを100社創出する」ことを掲げて、起業家育成やスタートアップ・ベンチャー企業創出に取り組んできた。その結果、経済産業省が公表する「大学発ベンチャー実態等調査」では、東北大学発スタートアップ・ベンチャー企業は2020年度公表ベースですでに145社に到達。STARTUPDBが公表する国内未上場スタートアップ企業時価総額ランキング​​では、上位20社にクリーンプラネットやispaceなど東北大学発ベンチャー企業がランクインした。2021年度までにTHVPが出資したレナサイエンスを含む3社が上場を果たしている。

石倉さんは「この掛け声から生まれたものを、継続していくことが大事。起業家を生み出す取り組みには時間がかかりますが、この動きを続けて行けば必ず成果が出てくる」と話す。そして大学だけでなく、地域全体を巻き込んで起業家やスタートアップを生み出す「スタートアップエコシステム」を形成していく重要性を指摘する。

「スタートアップエコシステムというのは、地域の産官学金といった色んな主体が連携して人・もの・金・情報を循環させることで、スタートアップを生み出していこうという発想です。東北大学は主要なプレイヤーの一つですが、さらに多様な人を巻き込んでこのエコシステムを発展、強化していきたいので、地域全体で協力していけたらと考えています」

そして小山田さんは今回の両ガレージの開設こそが、地域の「スタートアップエコシステム」を形成する拠点になるのではないかと期待している。「地域で起業家を生み出すエコシステムの中核として、確かな技術を持った東北大学に期待するところは大きい。こうした新しい拠点ができることで、東北大学、THVP、MAKOTOキャピタルが『アンダーワンルーフ(一つ屋根の下)』で一緒に起業支援に取り組む体制が初めてできたと言えます。このことは、地域にとって大変意義深いこと。仙台で『起業家』と名乗ると『かっこいい!』と言ってもらえるような、起業が憧れの対象になるような文化を作っていけたらと思います」

青葉山ガレージは平日9:00〜17:00までの間、東北大学の学生、教職員、起業支援関係者、東北大学発ベンチャー企業関係者が利用可能。川内ガレージは附属図書館とスタートアップ事業化センターの運用に準じて開館時間が変動となっており、学内関係者のみ利用可能。

利用登録や相談は直接ガレージを訪問するか、東北大学産学連携機構スタートアップ事業化センター(電話:022-795-5281、https://forms.gle/UzsDfPqoNunHaDvq9)へお問い合わせを。

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