【高校生記者がゆく!2023】仙台市の高校生が記者となり、高校生目線で地域の魅力や課題を発信する連載。宮城野区中央市民センターのもと、高校生たちが地域の気になるテーマを取材・執筆した成果を掲載します。過去の記事はこちら
【大里愛、田村結花】私たちは、仙台市宮城野区岩切地区の子育て団体「いわきり子育てネットワーク」を訪ねた。子育て中の親の悩みも多様で切実だ。いわきり子育てネットワークの活動を通じて見えてきたものとはーー。
地域で子育てする親を支援
仙台市宮城野区岩切地区の子育て任意団体「いわきり子育てネットワーク」で中心的な役割を果たしている会長の山田綾さん、副会長の育村みどりさん、菅野澄枝さん、平栗智恵美さんに話をうかがった。子育てネットワークを分かりやすく言うと、岩切地区で子育てをしている親たちをさまざまな角度から支援をしている活動だ。
支援の内容は幅広く、岩切の子育て施設関連の紹介、病院や育児サークルの紹介、防災マップ作りなども含まれる。
防災や子育て施設の情報をマップに
特に力を入れているように感じたのが“いこねっと”(Iwakiri Kosodate Network)というリーフレット作りだ。リーフレットを見ることで「いわきり子育てネットワーク」の活動の様子が分かってくる。
2020年のリーフレットには、子育て中の親御さんのための施設や支援団体、子連れで行ける食べ物のお店や病院の地図が大きく載っている。加えてそれぞれの施設の特徴や行き方(アクセス情報)などが書いてあるところもある。
2021年のパンフレットは防災版として防災に役立つ情報がぎっしり載っている。例えば、岩切地域防災MAPとして避難場所の位置や災害時に簡単に作れる食べ物について詳しく紹介されている。さらに、災害の種類や程度に合わせた情報も分かりやすく、乳幼児を育てている親たちに向けた適切な対処法も詳しく説明されている。毎年内容は変わっており、それぞれのニーズに合わせる編集に工夫が凝らされている。
コロナ禍の親の「孤独」生まないように
「いわきり子育てネットワーク」は、メンバーでいろいろな工夫を出し合い、定例会も明るく賑わっているが、コロナ禍のために中止となってしまった行事や企画も多い。菅野さんの話によると、以前は子育ての支援につながるような講座を活発に開いていたが、コロナ禍の下では、地域で交流し合う行事が少なくなってしまったそうだ。地域での触れ合いや同じ悩みを抱える人同士の交流事業が少なくなると、子育て中の親御さんにとっては「孤独」を感じ、無力感に襲われがちとのこと。
そんな親たちも多い中、「いわきり子育てネットワーク」では、声掛けを積極的に行うようにしているそうだ。ネットワークを生かした「声掛け」は簡単なようで難しい。実際、コロナ禍に負けずに声掛けすることが親御さんたちの大きな心の支えになるのではないか。
コロナ感染が拡大する中、イベントができない分、ほかに何かできることはないかとメンバーの間で考え、話し合いを続けた時間も多かった。「その結果、ここに集まってきている親御さんたちの意見の出し方、まとめ方などのスキルが上がった」とのことだ。
岩切の育児サークルがネットワークを通して多くの人と関わり、子育てについて相談できる友達も増えた。こうした関わりの場があることで子育て世代の親御さん、そして子どもたちも安心して生活できるような場所がよりいっそう発達していってほしいと思った。
◆「いわきり子育てネットワーク」について、もっと知りたい方はこちらへ
(岩切市民センターHP 講座レポート「令和4年度 岩切子育て応援事業」より)
https://www.sendai-shimincenter.jp/miyagino/iwakiri/kouza/report/hmmr2n000006o6uh.html
<取材・執筆 大里愛 田村結花>
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