【続・仙台ジャズノート#118】つまずきの種はいたるところに。「低敷居セッション」3回目報告

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文】60代半ばで始めた「習い事」、アルトサックスは予想に違わずややこしいことが多く、楽しみながらも依然として難航しています。課題を一つでも乗り越えて人さまに披露していいだけの音色になりたいものです。そのためには多少、恥をかいても人前で演奏する機会があると勉強になります。2024年6月9日、仙台市青葉区のジャズバー「モンド・ボンゴ」で開かれた「低敷居セッション」に参加しました。ありました。いろんなことが……。

「低敷居セッション」はジャズミュージシャンの腕試しの現場となる「ジャムセッション」よりも、気楽に参加できて、失敗しても、やり直してもいいじゃないか-という雰囲気を大事にしたセッションです。筆者としては今回が3回目の参加。開催趣旨も参加要領もだいぶのみ込めたので、心地よい緊張とリラックスのひとときとなりました。参加者は20人限定。入れ替わり立ち代わり雰囲気を盛り上げた参加者はもちろん、主催者にも感謝したいと思います。

サックス、フルート、ギター、ピアノ、ベース、ドラム、ピアニカ(!)などさまざまな楽器が活躍しました。参加者の顔ぶれは音楽教室の生徒さん、仙台中心に活動している顔なじみのバンドメンバーたち。初めてお会いする人も多く、どんな音を出すんだろうと興味津々でした。「ジャズ音楽は、自分で演奏してみてその楽しさがよく分かる」と誰かがYouTubeで言っていたのを思い出します。本当にその通りだと思います。

特に今回は、アルトサックスと身体が一つの楽器になったような豪快に演奏する人を聴くことができました。あまり得意ではなかったけれど、フリージャズのサウンドを懐かしく思い出したので帰宅後、山下洋輔トリオで活躍した坂田明さん(アルトサックス)を聴きなおしました。残念ながら自分の演奏のことで頭がいっぱいで、ご本人に話を聞く機会を逸してしまいました。取材者としてはあるまじきことです。

今回も反省材料が続出しました。予想外の出来事がいろいろ起きたため、動転してしまった個所が幾つかありました。念のため録音したのをよく聞いてみると、不本意な演奏だった部分も含めて、自分の力がそのまま反映されているだけといえます。一つひとつ吟味し、修正できるものは修正する以外にありません。

それにしても、つまずく原因はいたるところに潜んでいるものです。人前で音を出す緊張感から予定通りに運ばないのは仕方がないとして、普段の練習の内容がピンボケだったり、不十分・不徹底だったりすることにあらためて気付かされます。演奏とはあまり関係のない事前の準備段階の手違いが思わぬ混乱を招くこともあります。前回は他の演奏者にお願いして飛び入りさせてもらった結果、実力以上の対応が必要であれこれ失敗しました。

今回は前回の反省を生かして、希望する曲をしっかり決めたはずなのに、事前の打ち合わせの結果「やらないほうが無難」と勝手に考えていた「I Got Rhythm(アイ・ガット・リズム)」を開始直前に演奏することになったり、「I Got Rhythm」と切り離して後半にお願いしようと思っていた「Summertime(サマータイム)」を続けて演奏することになったりしました。たったそれだけの手順の違いで、楽譜を探しあぐねたり、シニアグラスを行方不明にしたりと散々でした。

おまけに「I Got Rhythm」は演奏を始めたとたん、自分のチューニングが合っていないような気がしてショックでした。落ち着いて考えれば、吹き出しのアンブシュア(口の形)が乱れていたためなのですが、「ああ、チューニングが甘かったか」と冷や汗が流れる思いでした。

少しでもうまく演奏したいと願ってきた「Summertime」は、いざ演奏が始まってみると、とんでもなくスローになってしまいました。自分の役割は曲の流れに責任を持つべき、いわゆる「フロント」でした。伴奏してくれたみなさんに迷惑をかけたと反省しています。「Summertime」では聴かせどころで、低域の「C#」が鳴らないという、致命的なミスもありました。「あんなに練習したのにもっとやれってか?」と、演奏中なのに雑念を抑えられないのでありました。

いつもはマイカーの中で練習しているので、ステージに立ち、広い空間で演奏するのは、自分の音が遅れて聴こえるような感じがするのに気づいたのは初めてのことでした。顔見知りのミュージシャンが筆者の音を聴いて「マウスピースをもっと深くくわえてはどうか」とアドバイスしてくれました。早速、試しています。

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