【続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!)
【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】60代半ばで通い始めた音楽教室で受講生の発表会があると聞いたので早速参加することにしました。仙台市内のジャズバーを借り、受講生以外の見学も可能だそうです。曲の内容や進行について確認するリハーサルが先日ありました。テーマ(メロディ)からアドリブ(即興演奏)、フォーバース(メンバー同士のソロ交換)へと続く、いかにもジャズらしいイベントに演奏者として参加できることが何よりもうれしいんだなあ。きっと。腕前は依然として恥ずかしいレベルだけれど、今回は伴奏してくれるプロのみなさんの演奏も何とか聴きとれたのでひと安心。かつては演奏が始まると同時に、自分の音と楽譜しか見えなくなったものです。
今回の発表会用に筆者が申請したのはジャズブルースの定番「Bag’s Groove(バグズ・グルーヴ)」です。モダン・ジャズ・カルテットのメンバーとしても知られているビブラフォン奏者、ミルト・ジャクソンの作品でジャズ系のブルースとしてはこれ以上シンプルな曲はないのではないかと思われる名曲です。ベース、ピアノ、ドラムのプロの伴奏に筆者のアルトサックスが乗る形。おまけに師匠が同じアルトサックスで付き合ってくれるという何ともぜいたくでうれしいチャンスです。
「テーマ」から入り「アドリブ」-「フォーバース(アルトサックス2本でソロの掛け合い)」を経てテーマに戻る、お約束の流れは、アンサンブルの心地よさと楽器演奏の楽しさをしっかり味わうことのできる仕掛けになっています。よくできたシステムだと感心します。今回はアドリブからフォーバースに移る際、他のメンバーの音がよく聴こえたので「ン?いつもと違って余裕ある?」と自分でびっくり。
定番かつシンプルなブルースとはいえ、演奏上の課題は盛りだくさんです。ブルース特有の1コーラス12小節の短い進行なのに、コードに応じたメジャー(長調)とマイナー(短調)の吹き分け、ブルース感満載のブルーノート適用のタイミング、特定の音を強調するため、直前の音をのみこんで音量を限りなく押さえる「ハーフタンギング」など、短い曲の割には考えなければならないポイントが多いのが特徴です。
その他、毎回レッスンで指摘される筆者固有の課題を克服できるかどうか。自分なりにひそかに試してみたい課題も複数あります。特に比較的シンプルなブルースでもあるし、楽譜を見ないで演奏したいものだとひそかに考えています。リハーサルでは直前になって弱気の虫が出て、参照用のメモを1枚用意してしまいました。そのためメモを追うことに気を取られ、肝心のアドリブが想定外の個所でたどたどしくなったのは大失敗でした。
▶名雪祥代サックス教室 レッスン生によるガチンコ発表会
2024年1月28日(日)午後2時-午後4時半
モンド・ボンゴ
仙台市青葉区一番町4丁目4-36
Music & Drink 1,500
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