【シニアネット仙台】サロン運営のソフトを地域化する

会社とは異なるNPO

田中さんによると、NPOには事業型、ボランティア型、サークル型の3類型がありますが、いずれもそれぞれに悩み、問題を抱えています。

「たとえば事業型の場合、介護事業に取り組めば介護保険法のお金が入ってくるものだから、いつの間にか、介護保険が適用される事業だけを考えるようになり、サラリーマン化してしまいがちです。有償ボランティアで介護事業に取り組む段階からNPO法人に移ったときのミッション(使命感)やパッション(情熱)とは裏腹に公的事業の下請け機関化する危険性は十分にあります。そんなことなら会社をどんどん作ればいいだけの話です。頭で『ミッション』なんて言っても、飯を食うことが先になるので、しんどいことと、楽しいことがあると、どうしても楽しいことにふられる。そういう弱さをわたしたちは持っています」

「一方、ボランティア型、サークル型にとっては、逆に事業性が重要です。たとえばシニアネット仙台のような会費制中心の組織では、将来に向けての成長をほとんど期待できません。だからこそ、何とかして事業収入が入るように工夫する必要があります」

田中さんが「米国高齢社会調査団」の一行をサポートしたのは「高齢化時代のボランティア」という著作を岩波から発刊した直後でした。米国の高齢社会を支える多様な社会システムに詳しく、特に高齢者が参加するボランティア活動の可能性に注目していました。現在は介護系のNPO1400団体のネットワークを作り上げています。

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「これまでの活動を土台に、ほんのちょっと捻るだけで身近なサロンができるはず」と語る市民福祉団体全国協議会専務理事の田中尚輝さん(東京・協議会事務局で)(撮影:佐藤和文)

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