インバウンド増へ、登米市で外国人留学生のモニターツアー

歴史の町も観光で伸び悩む

とよま秋まつりでは、歴史が息づく街並みを勇壮な山車が練り歩いた。子どもたちによるお囃子は今に受け継がれる地域の伝統をよく伝えている(平間真太郎撮影)
とよま秋まつりでは、歴史が息づく街並みを勇壮な山車が練り歩いた。子どもたちによるお囃子は今に受け継がれる地域の伝統をよく伝えている(平間真太郎撮影)

 登米町(とよままち)は県北部の要衝で、古くから北上川の舟運の拠点として栄え、明治初期には水沢県の県庁所在地でもあった。江戸時代には仙台藩の要害が置かれ、仙台伊達家一門の登米伊達氏が支配した。

 今も武家屋敷や明治期の学校や県庁、警察署など多くの歴史的建造物が保存され、仙台市内では味わえない静かで趣のある街並みを堪能できる。町の鎮守登米神社の例祭である秋まつりもまた、古くからの歴史がある。新国立競技場をデザインした建築家の隈研吾氏が設計した「伝統芸能伝承館 森舞台」で演じられる「登米能」は230年以上の伝統を誇る宮城県指定無形民俗文化財だ。

 しかし、こうした地域資源が観光に十分活かされているとは言い難い。

 よく指摘されるように、東北地方はインバウンド誘致で後れを取っている。観光庁などの調べでは、2015年の外国人延べ宿泊者数は全国で約6561万人を記録したが、東北6県はわずか61万人にとどまる。また、国土交通省の調査によると、宮城県への日本人を含めた観光客入込数は仙台近郊が突出して高く、県内の他地域の立ち遅れが目立つ。例えば2013年のデータでは、仙台エリアは3156万人、大崎・栗原・登米エリアは1342万人で仙台エリアの4割しかない。東日本大震災による影響はあるものの、仙台近郊を除く地域の伸び悩みは震災前から続いている傾向だ。

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