TOHOKU360が毎年、読者のみなさんと東北で最も流行した言葉を決める「東北流行語大賞」。今年もTwitterで皆さんから候補ワードを募集し、東北各地からたくさんのご応募をいただきました。ありがとうございました!
皆さんからお寄せいただいた言葉の中から編集部が15語に絞り込み、2021年のノミネートワードが決定しました!ノミネートワードの解説を読んだ上で、記事の最後の投票フォームから今年の東北流行語大賞にふさわしいと思う言葉にお一人3票の投票をお願いします。最も得票が多かった言葉が今年の東北流行語大賞に選ばれます!投票は12月7日23時59分まで。12月8日に大賞を発表します。
(解説執筆:福地裕明、佐藤和文、岩崎尚美、若栁誉美、佐々木佳、鈴木千絵、安藤歩美)
#俺たちの菅波
【解説】宮城県気仙沼市と登米市が舞台となったNHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」を代表してエントリー。主人公のモネ(演:清原果耶さん)の相手役となった坂口健太郎さん演じる菅波光太朗医師を応援するハッシュタグ。
「納得できませんね」「ありえない」と理屈っぽく、「あなたのおかげで…は麻薬」「19対5」など視聴者までをも困惑させる言葉を発するが、実はサメ好きで、「あなたの痛みは僕には分かりません。でも、分かりたいと思っています」との優しさでモネのハートをわしづかみ。視聴者のこれから一体どうなるのか、大丈夫かといった思いからトレンドワードが生み出される形となった。このほか、#休菅日、#菅波砲、#菅波沼などのワードがSNSを賑わせた。(福地裕明)
おかえりマー君
【解説】大リーグ、田中将大選手は古巣、東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰した。復帰1年目は23試合に登板して4勝9敗。その結果についてはさまざまな意見があると思われるが、ファンとともに歩みたいという思いがシーズンを通じて伝わってきた。
「おかえりマー君」。この言葉をあらためてかみしめるために、ぜひあの瞬間の映像を見直したい。2013年11月3日。仙台で開かれた日本シリーズ第7戦のジャイアンツ戦。3-0でイーグルスリードの9回表。前日、160球を投げて敗戦投手となった田中選手が連投のマウンドに上がった。球場全体が異様なほどに盛り上がる中、田中選手は球団創立9年目にして初の日本一をプレゼントしてくれたのだ。東日本大震災から2年目。震災の傷跡がまだまだ深刻な中、もらった奇跡のプレゼントだった。(佐藤和文)
福島の桃、デリシャス
【解説】7月の東京五輪で、福島市での試合を終えたソフトボールアメリカ代表のエリクセン監督が記者会見で放った一言。滞在中のホテルで福島の桃のあまりのおいしさに驚き6個も食べてしまったというエピソードに、Twitterでは福島県民をはじめ全国の人々が喜びや感謝の言葉をツイート。一時「福島の桃」が日本のTwitterトレンドワード上位にも入った。(安藤歩美)
山形版ピクトグラム
【解説】東京五輪で採用された競技を表す絵文字ピクトグラムの「山形版」として、7月31日に山形県の公式ツイッターにて発表され大きな話題を呼んだ。「花笠踊り」「芋煮」のほか、35市町村すべてで湧く「温泉」、面積の70%以上を山地が占め登山愛好家を魅了する「登山」、村山市発祥・日本武士道の基本となった「居合道」、収穫量日本一の「サクランボ」の6点を表現。山形県広報広聴課は「オリンピックの際にツイッターで個人的にピクトグラムを作成している方々がいたので、その勢いに乗って制作しました。山形県の魅力を知ってほしかった」とその経緯を話した。(岩崎尚美)
北海道・北東北の縄文遺跡群
【解説】2021年7月、北海道・青森・秋田・岩手の1道3県に連なる縄文時代の遺跡群が世界文化遺産に登録された。環状列石や貝塚をはじめとする、全17の遺跡群である。縄文時代は大きくわけると6つのステージに分類されるが、北海道・北東北縄文遺跡群では、この流れを連続的に追うことができる点が評価された。(若栁誉美)
縄文遺跡群世界遺産登録推進事務局サイト:https://jomon-japan.jp/
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ホタテ水着
【解説】青森県むつ市の海鮮問屋・阿部商店が2011年から制作・販売している商品。青森の豊かな海が育んだ大きなホタテ貝が紐で結ばれた大胆なデザインで、今年9月にむつ市のふるさと納税の返礼品に登録されると、Twitterで3万リツイートに迫るほど話題に。ふるさと納税サイトで一時、装飾品・工芸品部門一位に輝くなど、むつ市のふるさと納税額に大きく貢献した。
ふるさと納税への登録は、今年8月に下北半島を襲った豪雨災害がきっかけ。阿部商店の阿部学さんは「地元の養魚場等の被害を目の当たりにして、面白い商材からむつ市の被害状況を少しでも知って頂き支援金等に結びつけばと考えた」とその経緯を語る。むつ市への6千円以上のふるさと納税で返礼品として受け取ることができる。(安藤歩美)
サキホコレ
【解説】秋田県の新しいブランド米。コンセプトは「コシヒカリを超える極良食味品種」。お米一粒一粒の美味しさが感じられるのが特徴で、高い品質を維持するために作付地域を限定しているとのこと。令和4年秋の市場デビューを見据え、今年は秋田県内、アンテナショップでの販売、学校給食で提供されるなどした。キャッチコピーは「うまさ満開」。(若栁誉美)
弘前に松屋
【解説】2021年9月、弘前市内の空き地に工事看板が立った。「松屋弘前高田一丁目店」。
待望の「松屋・青森へ初出店」。長らく秋田県と青森県は「松屋空白地帯」であり、青森県民が松屋へ行く場合は、岩手県盛岡市まで行く必要があった。それが2021年9月に東北自動車道花輪SA(秋田県鹿角市)に松屋ができ、続いて県内にも出店が決まった。青森県民大歓喜。(若栁誉美)
清水屋閉店
【解説】山形県酒田市中心部の大型店「マリーン5清水屋」(マリーンファイブしみずや)は7月15日、71年の歴史に幕を閉じ、多くの市民が別れを惜しんだ。清水屋は1950年に開業。長年中心商店街を牽引してきたが、客足の落ち込みや前経営者の逝去などにより、営業継続を断念した。閉店セールには多くの市民が詰めかけ、SNSには思い出や感謝のメッセージが相次いで投稿された。県内では2020年に経営破綻した大沼(山形市)に続く閉店で、同県から「デパート」の灯が消えた。(佐々木佳)
泉外旭川駅
【解説】2021年3月13日に開業した奥羽本線の新駅で、秋田駅から土崎駅の間に開設された。秋田県内では20年ぶりの新駅。既存駅の距離は7.1kmで、県庁所在地の中心駅から隣駅までの距離では東北6県で最長だった。駅名は、駅の南側の泉地区と北側の外旭川地区からとった。(若栁誉美)
大谷MVP
【解説】米大リーグエンゼルスの大谷翔平投手(27)の活躍ぶりには、野球ファンならずとも引き付けられたはずだ。打率2割5分7厘、46本塁打、100打点、26盗塁をマーク。リーグMVP、コミッショナー特別表彰、シルバースラッガー賞など、大谷選手が獲得した主要な賞は11冠に達する。
大谷選手は岩手県奥州市出身。北海道日本ハムファイターズから米国に渡った。2021年は新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が重圧にあえいだ。大谷選手の軌跡をたどるうちに世界的な感染症の重圧・不安から一瞬でも解き放たれるように感じた人は少なくないはずだ。(佐藤和文)
*大谷選手の東北流行語大賞ノミネートは、2018年の「SHOWTIME」以来3年ぶり2度目。
いわきFC
【解説】福島県いわき市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、葛尾村をホームタウンとするサッカークラブ「いわきFC」は今年JFL初優勝し、文句なしの「J3」昇格を決めた。福島県ではJ3の福島ユナイテッドFCに続き2クラブ目、東北地方では7クラブ目のJリーグチームとなった。
いわきFCは2019年11月に全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)で初優勝を飾り、J3の一つ下にあたるリーグ「JFL」へ昇格。そこからわずか2年でのJFL優勝・Jリーグ昇格は、福島・浜通りを中心としたサポーターたちに大きな感動を与えた。(安藤歩美)
*「いわきFC」の東北流行語大賞ノミネートは、JFL昇格を決めた2019年以来2年ぶり2度目。
がんばるべし下北
【解説】青森県の下北半島は2021年8月の大雨で大きな被害を受けた。大間観光土産センターでは、下北豪雨被害支援ステッカーを販売。「がんばるべし下北」を合言葉に一致団結して復興に向かっている。このステッカーはオンラインショップで購入可能で、ステッカーの収益は、自治体を通じて全額寄付される。(若栁誉美)
浄法寺のねこ
【解説】1994年に岩手県浄法寺町(じょうぼうじまち。現・二戸市)で誕生した町のキャラクター。町内のお寺に伝わる猫塚伝説をもとに作られた。ところが、当時は出番が少なく、25年間倉庫に置かれていた。
転機は2019年秋、二戸市出身のロックバンド「SatoMansion」のイベントに登場した時に、ボーカルの佐藤和夫さんから「浄法寺のねこ」と名付けられた。以来、バンドのファンを中心にじわじわと人気が広がった。地域のイベントに積極的に顔を出し、SNSでは地元のグルメ情報を発信するなど、地元の魅力発信にも余念がない。また、スキーをしたり、隣町のキャラクターと交流するなど、アクティブな一面も。親しみやすさが人気を集めている。今後も目が離せないキャラクターである。(鈴木千絵)
サン・ファン・バウティスタ号
江戸時代初期、仙台藩が建造した木造洋式帆船。藩主・伊達政宗の命によりヨーロッパに派遣された、支倉常長ら「慶長遣欧使節」一行は、この船で月浦(現・石巻市)を出航し、太平洋を渡った。1990年頃より、当時の偉業を未来に伝えるため、船の復元を望む県民の声が高まった。それを受け、1992年復元船の建造が始まり、翌1993年に進水式が行われた。後に石巻市内に完成したテーマパーク「サン・ファン館」に係留・展示された。
2011年の東日本大震災の大津波と翌月の強風では、内部の展示物の流出や、マスト等の折損と、甚大な被害を被った。カナダからの木材提供等により、2013年に修復が終了。宮城県内外から多くの人が見学に訪れ、歴史を伝えるシンボルとして親しまれてきた。ところが老朽化により、解体が決定。保存を望む声が相次いだものの、2021年11月より解体作業が始まった。(鈴木千絵)
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投票は締め切りました。たくさんの投票ありがとうございました!
★11/29に伊達武将隊・支倉常長さんとお送りしたYouTube番組「東北流行語大賞2021ノミネート語発表スペシャル」もぜひ併せてご覧下さい!
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