【仙台市長選】「いじめ問題の解決に力を発揮したい」郡和子候補単独インタビュー

いよいよ一週間後に投開票日が迫った仙台市長選挙。TOHOKU360とNPO法人メディアージの市長選特集では、立候補者4人それぞれに独自インタビューを実施しました。地元大学生がインタビュワーとなって候補者の政策や素顔に迫ったインタビュー動画を、届け出順で公開します。【撮影・編集:NPO法人メディアージ】

長所は「ポジティブで元気いっぱいなところ」

インタビュワー・小野:はじめまして。本日は学生の立場からいろいろ郡さんに質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

郡和子候補(以下、郡):はい、よろしくお願いいたします。

小野:それではさっそく、質問させていただきます。郡さんの長所と強みを教えてください。

:長所はですね、まぁすごくポジティブな性格で、明るいということじゃないでしょうか。よく食べてよく笑って、とにかく元気いっぱいだってことだと思います!

小野:ありがとうございます。すごい、話していて感じます。

:そう?ありがとうございます。

「いじめ防止推進法の立法の理念が故郷の仙台で生かされず、悔しかった」

小野:市長になられましたら、特に重視される政策は何でしょうか?

:えーとですね、いくつかありますけれども、私が一番にお訴えしたいのはですね、私は国会の中で12年間、活動してまいりました。そしてその中で、いくつも議員立法を提案し、そして成立したものもあるんですけれども、その中のひとつに、子どものいじめ防止推進法、というものがございます。

で、そのいじめ防止推進法の立法の理念っていうのが、あの、大津での痛ましい事件を受けてね、日本の社会から、いじめ、そして亡くなるってことをなくしていきたい。そのためには、学校はどうあるべきなのか、地域はどういうふうにあるべきなのか、先生方はどうあるべきなのか、そして生徒たちはどうあるべきなのかということを、立法として、やらせていただいたんだけれども、残念ながら今回、私の大好きなふるさと宮城、仙台で、2年7か月の間に、3人もの中学生の男の子が、いじめにより、自らの命を絶つという痛ましい事件がありました。なぜ立法の理念が生かされないのかな、その精神が行き届かないのかなということを考えてね、とても悔しく思ったんです。残念に思ったんです。で、このことを解決していかなくちゃいけない。そのためには、私が大きな力を発揮できるんじゃないかと思ったのがまずひとつです。

その他に、えーと、奥山市長が残念ながら3.11東日本大震災の、復興に追われる中で、市民協働を掲げられたんだけれども、それが充分に発揮できなかったかもしれない。その市民の力というのは、私とても素晴らしいと思っているんですけれども、市民のみなさんと一緒に、市政の課題を解決できる、市民協働プラットフォームというような、そういうものをつくって、これからの仙台のまちづくりをしていきたいなというふうに思っています。

「地元企業への就職を前提とした、返す必要のない奨学金制度を作りたい」

:それと、学都仙台でしょう?小野さんも、学生さんだけれども、学生さんたちが、奨学金の問題で、卒業して就職をしても奨学金を返せなくなっちゃってるっていうね、そういう事例も、いくつか聞かせていただいてます。仙台に、地元の企業に就職してもらうことを前提にした、返す必要のない奨学金制度を作っていきたいなと思っているんです。

地元に優秀な人材を残したいっていう思いと、それから、東北全体がね、仙台に学生さんたちを送り出し、そしてまた、自分たちのところに戻すっていうダムみたいな、そういう役割を果たす、そんな奨学金制度を作って、経済も良くしていきたいなと思っています。

小野:私の友人も奨学金を返すことが苦痛に思っている人がいるので、はい、

:ねぇ

小野:すごくいいことだと思います。

:嬉しいです。




学生には「選挙を学ぶ場として利用してほしい」

小野:学都仙台というように、学生の多い仙台ですが、学生に伝えたいことなどありますか?

:今の、奨学金の話はぜひとも多くの学生さんたちに知っていただいて、応援をしていただきたいなというふうに思います。

それからもうひとつは、18歳のみなさんから政治参画ができるようになりました。政治って実は、遠いところにあるものじゃなくって、すぐそばにあるものです。政治に無関心でいられても、政治に無関係ではいられないんですね。ありとあらゆることが、政治に関わっているということなんです。なので、学生さんたちにはぜひ、政治に興味を持ってもらって、政治に参加していく、自分が主権者のひとりなんだってことを実感できるように、そのへんのところも、ぜひ、自分のこととして、受け止めてもらいたいな、選挙っていい勉強の場だと思うんですよ?地方自治っていうのはさらに、あのー、民主主義の学校というふうに言われていて、ぜひこの場を、みなさんたちで学ぶ場としてね、利用してもらいたいなと思います。

仙台は「周辺自治体とウィン・ウィンになれる関係構築」が必要

小野:では続きまして、今の仙台市の政策についての評価と、次にどんなことを打ち出したいかという考えを教えていただきたいです。

:えーとねぇ、これまでの仙台というのは、それこそ、あのー、東北の中のひとつの政令市として、えー東北を引っ張っていく、そういう大きな役割を果たしてきたと思います。あの3.11東日本大震災の復旧復興でもですね、仙台は、政令指定都市として、責任を取っていただいている、とっていただいたんだなというふうに思っております。その部分では評価をしておりますし、えー、ありとあらゆるところで、東北の元気の源になっているのも事実だと思うんです。

ただね、一極集中っていうふうに言われている、沿岸地域は特に被災をして、人口減少に歯止めがかからなくなっている、それを全部吸収しているのが仙台だとしたら、その周辺の自治体のみなさんたち、とりわけ沿岸地域のみなさんたちに、ちゃーんと、あ、仙台っていうのは自分たちのね、あのー、なんていったらいいんだろう、あのー、親分じゃないけれども、誇りを持てる、信頼できる、あるいは尊敬できる街なんだなと思ってもらえる、周辺自治体に対する配慮っていうのかしら、それぞれがウィンウィンの形をとれるような、そういうところはもしかすると、これからの大きな課題じゃないかというふうに思うんです。

同じように、少子高齢、人口減少社会を迎えるにあたって、周辺自治体との関連性、関係性をどう構築していくか、とりわけ、仙台は重い責任を負っているんじゃないだろうかと考えてます。

小野:たしかに、仙台が一極化しているのは、県外に行くと感じることもありますね。

:そうだよね、そうですよねぇ。

「12年間の国会議員活動で、政治と行政のあるべき姿を学んだ」

小野:あのー、ほかの候補者の方に比べ、政治経験が豊富だと思いますが、それをどのように生かせると思いますか?

:えーとですね、私は仙台で生まれて、仙台に育ててもらって、そして仙台の学校を出て、仙台の企業に勤めて、26年間でしたけれども、地元の放送局でいろんな方々と会って、いろいろなお話を聞かせてもらって、それを元に、番組を作ったりしてきました。私も、多くの県民、市民のみなさんに育ててもらったと思ってるんです。

で、そのことを、私の大切な宝として、えー、12年間、4期、国会議員として活動しました。政治家としてのキャリアと、途中、与党として政府の中にも入りました。消費者庁の政務官として、復興庁の政務官として、内閣府の政務官としても仕事をさせてもらった。官僚と一緒に仕事をしていくということも、あのー、経験させてもらった。

つまりは何を申し上げたいかというと、政治というのは、どういうものなのか。行政というのはいかにあるべきなのか。この両方を、私は学ばせてもらった。そのことは、大きな私の強みだと思っていて、そのことは、これからの仙台に生かしていけるんじゃないかなと思っています。




国会議員バッジを外し、仙台市長に立候補した理由とは?

小野:そうですね、そのような4期も務めた衆議院から、どうして市長を目指そうと思ったのですか?

:ええ、よく、みなさんに聞かれます。今、たとえば小野さんは、政治に対してどんな感想を持っておられますか?

小野:私はですね、そうですね、ちょっと、不透明なところがあるのかなというふうに思っています。

:うん、つまりですね、もっともっと国民のみなさんが知りたいと思っていることに、政治家は応えていかなくちゃいけないし、政治は社会にそれをオープンにしていかなくてはいけないと思うんだけれども、残念ながら、今、国政レベルでもそうですけれども、一強多弱というなかにあって、必ずしもね、国民のみなさまが「知りたい!」と思っていることに対して、答えきれていないところが多いんじゃないでしょうか。

残念ながら、いろいろな問題があって、政治家なんて、こういう人たちだわ、とか、政治家ばっかり、私腹を肥やしてんじゃないの、とか、良い思いしてるんじゃないの、とか、そういう思いもね、市民の皆様方の中に、あるのかもしれないと思うんです。それは、政治は誰のものでもない、政治家のものでもなんでもなくって、市民ひとりひとりのものだってこと、市民のみなさまと一緒になってやっていくべきものなんだっていうこと、憲法にも書かれている「主権在民」っていうね、どの言葉をしっかりと、この仙台から日本の中に大きく示すことができるんじゃないだろうかと、今のこういう状況だからこそ、なおのこと、仙台から、民主主義の学校をみんなといっしょに、あの、入り直してもらって、勉強してもらって、それで、政治を自分たちの手で、いろいろやっていけるような、そういう街になっていけたらいいんじゃないかなという思いもあってですね、12年の国会議員を辞めてでも、民主主義とは何かを、仙台のみなさまと一緒に考え、行動していきたいと思ったから、バッヂを外すことを決めました。

小野:ありがとうございます。すごい、力強くて、すごい……

:(笑)

小野:胸が打たれました。

:そうですか!

小野:はい。

:ありがとうございます。

「先頭に立たせていただく経験があると自負している」

小野:それでは最後に、仙台市民に向けてメッセージをお願いいたします。

:仙台のみなさん。仙台に育てられた郡和子です。ぜひ、私自身、政治生命をこの仙台のために捧げさせていただきたいと考えております。市民のみなさん方のおひとりおひとりの力が集まれば、この仙台は、より良い街になるのは間違いありませんし、私は、その先頭に立たせていただく経験、それがあるんじゃないかなと自分で自負してます。えー、108万仙台市民のみなさまがたのために、ぜひとも、わたくし、郡和子を使い切っていただきたい、そう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

小野:ありがとうございました。

:ありがとうございます。




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