【コロナ時代、仕事に向き合う人々】客に植え付けられた恐怖が飲食を変える?繁華街の飲食店マネージャーの不安

萬谷恵世(仙台市)】「アフターコロナとか言われてるけど、飲食店はとにかくスタイルが変わっちゃうんじゃないかという恐怖はあったよね」。東北随一の繁華街である宮城県仙台市の国分町に店を構える韓国料理店『BUTA-KAN』マネージャーの須藤弘之さんは、これからの飲食業のあり方について不安を語った。

数カ月ぶりに国分町に出てみると、”しばらく休業します”、”休業延長”の張り紙が目立つ。そんな中、自粛期間を経てオープンしたBUTA-KANの須藤さんは、かなりふっくらとし、どうしたのかと尋ねると「いやー、コロナ太りだよね」と、笑った。

BUTA-KANの休業は4月3日~5月10日と約1カ月に及んだ。休業に入ったのは、宮城県が休業要請を出す2週間以上も前から。国分町の飲食店で新型コロナウイルスの感染者が出たからだった。感染者が出た翌日には休業を案内。苦渋の決断で踏み切ったという。

休業期間中、須藤さんは知り合いのお店に顔を出し、繋がりを強めていこうと動いていた。逆に、知り合いが店に来てくれることもあった。「助け合いじゃないけど、国分町は狭いからね。繋がりは大事にしていかないと。でも、同業者ばかり迎え入れるわけにもいかないからね」

飲食店は客を迎えてなんぼの世界だが、6月1日、取材時のBUTA-KANへの来店は2組だった。「飲食っていう文化は無くならないと思うけど、こういう経験をしてたことによってお客さんに植え付けられた、飲食店への恐怖がどこかにあるだろうなと思うと…」と口ごもる須藤さん、休業期間中に転職の話題も仲間内で出たという。

しかし、須藤さんは「いろいろ根気強く発信し続けて、この職業をやっていきたい」と語る。「賛同してくれる方がお客さんとしてきてくれればいいし、そうでなければ淘汰されていくだけだよ」とも。

【KOREAN&CHINESE Food BUTA-KAN】
本格的な韓国料理と中華料理のお店。クラフトビールやソムリエが選ぶワインも取り揃える。ヤンニョムチキンも人気。
https://www.instagram.com/butakan_korean_chinese/

特集:コロナ時代、仕事に向き合う人々】新型コロナウイルスが猛威を振るう中、多くの人がこれまでとは違う仕事の仕方を模索しています。仕事中の感染リスクに対し、自分の仕事への義務や責任を全うしようとする人、また、選択の余地なく生活のために働き続けなくてはいけない人もいます。私たちはもう、コロナ禍以前の世界に戻ることはできません。経済の停滞も感染リスクもすでに日常であり、その中でそれぞれの人が日々自分の仕事と向き合っています。

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