【鈴木千絵】みなさんは昨年末、TOHOKU360が行った「東北流行語大賞2021」を覚えているだろうか。
「#俺たちの菅波」「大谷MVP」「おかえりマー君」など全国的にも話題になった強豪ワードをおさえ、見事グランプリに選ばれたのが「浄法寺のねこ」だった。筆者は、東北流行語大賞の15のノミネート語を解説する記事で、「浄法寺のねこ」の項目を書かせてもらった。以下がそのときの解説文だ。
【解説】1994年に岩手県浄法寺町(じょうぼうじまち。現・二戸市)で誕生した町のキャラクター。町内のお寺に伝わる猫塚伝説をもとに作られた。ところが、当時は出番が少なく、25年間倉庫に置かれていた。
https://tohoku360.com/tohokuryukougo2021-2/
転機は2019年秋、二戸市出身のロックバンド「SatoMansion」のイベントに登場した時に、ボーカルの佐藤和夫さんから「浄法寺のねこ」と名付けられた。以来、バンドのファンを中心にじわじわと人気が広がった。地域のイベントに積極的に顔を出し、SNSでは地元のグルメ情報を発信するなど、地元の魅力発信にも余念がない。また、スキーをしたり、隣町のキャラクターと交流するなど、アクティブな一面も。親しみやすさが人気を集めている。今後も目が離せないキャラクターである。(鈴木千絵)
接戦の末、大賞に選ばれた後は、二戸市長からの表彰、地元岩手のテレビ番組への出演、二戸の酒蔵「南部美人」とのコラボ商品「ニャンブ美人」の発売など、大変な反響だったようだ。
後日、気になる「浄法寺干しいも」が届く
大賞受賞から2か月ほど経った2月上旬、浄法寺のねこさんより、解説文を書いたお礼にと「浄法寺のねこグッズ」が届いた。
まず、オリジナル缶バッジ、クリアファイル、ポストカードのキャラクターグッズ。ファン制作のポストカードとクリアファイルには「東北流行語大賞2021大賞」の文字が入っていて、一目見て嬉しくなった。
そして、「浄法寺干しいも」。これがまた絶品だった。「紅はるか」という芳醇な甘さが特徴のサツマイモが使われている。もちろん地元浄法寺産である。食べてみると、厚みがあり、ねっとりとした食感だった。かむごとに濃厚な甘さが口の中に広がっていく。サツマイモの味がギュッと詰まっていた。
リピートしたくなった筆者。「浄法寺干しいも」の販売場所などが気になり、浄法寺のねこさんに聞いてみた。
浄法寺町ですぐに売り切れる人気商品
先日はありがとうございました。「浄法寺干しいも」、とても美味しかったです。販売している場所や時期を教えてください。
干しいもは12月中旬あたりから、浄法寺町の温泉施設「天台の湯」や産直「キッチンガーデン」で売ってますニャー。リピーターも多く、中には30袋一気に買った人も!1月にはたいていソールドしてしまいますニャー。丸干しもちょっとですが出ている時がありますニャー。
一度に30袋とはすごいですね!「浄法寺干しいも」は、どのようなきっかけで作られたのですか?
この干しいも、浄法寺の葉たばこ農家さんが農閑期を利用して作ってますニャー。
冬場の農家を支える特産品をめざして
地域の集会施設が、冬場の農家の仕事として加工品を作ることが一つの目的なので、実験的にやっておりますニャー。
(袋に貼ってある)ねこのシールは、観光協会に申請を出せばつけることが出来るので、オラもPRに一役買わせていただいてますニャー。
現在のところは数量も少なく、通信販売はされていないが、「生産量を増やして産業になっていけば、段々に考えるかもですニャー」とのことだった。
「浄法寺干しいも」は、スイートポテトを食べているかのような濃厚な甘さで、特に芋好きな人にはおススメである。ぜひ、機会があったら食べてみてほしい。
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