【続・仙台ジャズノート#98】ブルース音階を忘れたら「ワーク・ソング」を思い出そう

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】ブルースのように際立って特徴的な音楽は、その雰囲気を醸し出すフレーズやリズムをどうマスターするかがポイントになります。ブルース進行の曲でアドリブらしきものを演奏するには多くの課題が待っていますが、できないなりにいろいろ試行錯誤した結果、最初の入り口は「ペンタトニックスケール」と呼ばれる5つの音から成る音階に習熟することだと思うようになりました。

数え切れないほど存在するスケール(音階)の中には、そのものずばり「ブルーススケール」と呼ばれるスケールがあります。このスケールを見よう見まねで演奏するといかにもブルースっぽい雰囲気になるので楽しいのですが、筆者の場合、最初からブルーススケールに入ると、似たフレーズの繰り返しになりがちな感じがしました。

そんな「わな」に陥る本当の理由は、ほかでもないブルースフレーズのストックがあまりにも少ないためなので、長い目で見ればどちらでもいいような気もしますが、もともとブルーススケールは、マイナーのペンタトニックスケールに「ブルーノート」と呼ばれる音を追加したものです。この「ブルーノート」はたった1音でブルース感たっぷりの強力な響きを持ちます。非常に有効な音なので多用しがちになります。

ジャズアドリブ志願の初期段階としては基礎的音階ともいえるペンタトニックスケールでしっかり指が動くように鍛えたうえで、次のステップとしてブルーノートを時折、含める練習に入る方がいいようです。ブルースっぽいサウンドを感覚的に身に着けるには時間も手間も必要です。ジャズ好きとして聴くのと実際に演奏するのとでは大違い。ペンタトニックという5音スケールで、繰り返し練習するうちにいい響きが見つかることだってあるかもしれません。繰り返し練習しているうちに頭と指の動きが少しはよくなるような気がするし、ペンタトニックスケールはもともとブルース以外でも使える場面が多いので、使いこなせれば非常に実用的です。

ナット・アダレイ名義のアルバム「Work Song」。「ワーク・ソング」はA面の1曲目に収録されている。兄のキャノンボール・アダレイのアルバム「Them Dirty Blues」(2管編成)よりもシンプルなアレンジ。ウェス・モンゴメリー(ギター)が参加している。1960年。

ブルースとの関連で紹介したい曲があります。米国のコルネット奏者ナット・アダレイが作った「ワーク・ソング」という曲をご存じでしょうか。ナットの兄でサックス奏者のキャノンボール・アダレイのグループが1960年に発表したアルバム「THEM DIRTY BLUES」で有名になりました。60-70年代を皮切りにジャズ音楽を聴いてきた世代には懐かしい曲です。

しかも、「ワーク・ソング」の「テーマ(メロディ)」は、マイナーのペンタトニックにブルーノートを加えた「ブルーススケール」でほぼ成り立っています。そのため、仮にブルーススケールの音列がどんな音の組み合わせかを忘れてしまった場合は、「ワーク・ソング」のテーマをなぞることでマイナーのブルーススケールにたどり着くわけです。

ブルーススケールに限らず、ジャズ志願中の身で頭の中に入っているのはよく演奏するキーの曲に限られます。恥ずかしながらすぐには思い出せないことの方が多いので、音列が分からなくなったときに教則本やスケール集に戻らなくても対応可能なのはとてもありがたい。非常にシンプルで覚えやすい曲なので、テーマをたどるだけなら、どの音から始まっても歌える程度には耳なじみになっています。つまりは、何らかの理由でキーが変わっても対応できるわけです。

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