生き物とふれあいながら、好きなことを発見。仙台ECO動物海洋専門学校で小学生の体験講座

髙橋康子】子どもたちが自分の興味や好きなことを見つけるための体験講座「じぶんプランニング」が、仙台市で開かれている。今年夏に開かれた「水族館・アクアリスト編」に同行し、参加した小学生たちの体験学習のようすを取材した。

水族館・アクアリストの職業を体験

「じぶんプランニング」は、仙台市生涯学習支援センターが主催する小学生向けの体験講座。専門分野について見たり聞いたりすることで、自分の興味や好きなことを見つけ、可能性を広げていくきっかけをつくるために開かれている。

8月6日に開催された「水族館・アクアリスト編」では小学3~6年生が集まり、生き物に関わる仕事について体験学習した。会場となったのは、仙台市宮城野区にある「仙台ECO動物海洋専門学校」。仙台駅東口の、アルパカがいる建物、というと、思い浮かぶ人も多いかもしれない。海洋生物、動物、虫などの生き物に関わる職業を目指すための専門学校で、飼育員、トリマー、トレーナーなどを目指す学生が通う。

見学やふれあい体験、座学と盛りだくさんの2時間

午前10時にスタートしたイベントには、小学生10人程度が集まった。ロビーでの挨拶を経て、4Fの資料本がギュッと詰まったナレッジスペースへ。 4Fまで登る階段には、動物の剥製や写真が飾られている。イベントを通して、参加者の間には「楽しい」という空気が流れていた。

資料本がギュッと詰まったナレッジスペース

校舎内の見学から始まり、ふれあい体験、座学などが行われた2時間あまりのイベントでは、どこにでも動物がいた。「アクアリスト」を冠するイベントだけに、水棲生物はもちろん、両生類、哺乳類まで、動物の種類は幅広い。 

動物飼育実習室で、子どもたちは大興奮

参加者のテンションが最高に上がったのは、3Fの動物飼育実習室だった。 室内では、大人の頭より大きいリクガメが我がもの顔で歩いている。

と思えば、同じくらい大きいジャンボウサギが、ケージの内側でくつろいでいる。置物と見紛う物静かなミミズクもいれば、おしゃべりする鳥もいる。 仙台で街歩きをしただけではまず出会えそうにない生き物が、校内のそこらじゅうにいる。なお、参加者に一番人気だったのは、何ものにも動じないが普段触れ合う機会もそうない、リクガメだ。

馴染み深い動物もいる。動物看護実習室には、マイペースな猫も、元気に吠える犬もいる。1Fに降りれば、馴染み深いとまでは言えないが、東口名物のアルパカがいる。アルパカと同じ空間にはカピバラがいて、ワラビーもいる。 校舎内見学だけで、小学生は何種類の動物と出会えただろう。

動物とふれあうことで得られる学び

校舎見学の後は本格的な体験があった。ドルフィントレーニングの体験実習だ。

ドルフィントレーナーはイルカの訓練士だが、今回は本物のイルカと触れ合うわけではない。中型犬サイズのネズミの仲間である「マーラ」という動物のステラちゃんが体験実習担当官だ。ステラちゃんは繊細で、触れていいのは鼻と前脚だけ。体験参加者に緊張が流れる。でも、「楽しい」が消えるわけじゃない。順番にステラちゃんと触れ合っていく。

トップバッターは見るからに緊張していたが、自分の番を終えると、次々触れ合っていく参加者とステラちゃんを、ケージにしがみついて最後まで見守っていた。子どもたちにとって、専門家のもと自ら動物とコミュニケーションを取った経験は、貴重な学びになったようだ。

「じぶんプランニング」は年に数回開催されている。10月は「イラストレーター編」で、仙台市若林区の専門学校日本デザイナー芸術学院で行われる。仙台市生涯学習支援センターのHPはこちら

この記事は、仙台市の宮城野区中央市民センターとコラボした市民記者養成講座「東北ニューススクールin宮城野」の受講生の制作した記事です。宮城野区を舞台に活動するさまざまな地域密着の市民活動を取材し、発信していきます。他の記事は下記の画像バナーからご覧ください。

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