「ないなら作ればいい」雫石町のバッティングセンターの秘密に迫る

高橋翔大(雫石高校)=東北ニューススクールin雫石】きっかけは野球をする息子だった。息子が練習するために、遠くにあるバッティングセンターに行くのは大変なことだ。そこで、岩手県議会議員のハクセル美穂子さんの夫、ジョセフ・ジョージ・ハクセルさん(岩手県雫石町)は「近くにあればいいな」ということで、バッティングセンターを作ることになった。

手作りバッティングセンターができるまで

最初はまず、他のバッティングセンターを作った人に話を聞いてみることから始まった。道ばたにあるバッティングセンターの人に話を聞くと、すべて手作りだと聞き「自分でもできるのではないか」と思い、知り合いの大工の人に聞くと、「できる」と言われた。次に、費用の見積りをする事になった。しかし、ここで驚きの価格がでてしまう。「1億円」。だが、これは屋内での話。屋外なら安くできるということで、屋外のバッティングセンターにすることになった。

バッティングセンターを作るには、広大な土地が必要である。そこで、知り合いの人から土地を貸してもらうことになった。最初は荒れた土地だったため、夫婦でともに整地をした。

そして、ついにバッティングセンターの建設がはじまった。構図は地元の建設会社の人に書いてもらい、すべて手作りで、パイプを組むのは大工の人、ネットは夫婦で張ったそうだ。屋根は作るのが難しいということでなし、マシンはインターネットで購入し、ついに念願のバッティングセンターが完成した。

ほかには無い新鮮さが受けている雫石町の手作りバッティングセンター

まだ終わらない夫婦の挑戦

バッティングマシンのあるところの裏には、まだマシンの球を打てない子供のためにティーバッティングをする場所もあり幅広い年代の人が楽しめるようになっている。

そしてこのバッティングセンターの最大の魅力とも言えるのが、屋外にあるということだ。小さな田舎町にあるので、おいしい空気を吸いながらのびのびとバッティングをすることができる。また、球を回収するシステムがないので、自分たちで拾わなければならないが、意外とこれが客にうけている。それ以外にも他のバッティングセンターにない新鮮さがあり、おもしろいのだそうだ。

しかし、前述した通り屋根はないので、天候には十分注意が必要だ。ちなみに冬は雪が積もるため、休みになる。念願のバッティングセンターを作って夫婦の挑戦は終わりに見えたが、実はまだ終わってはいなかった。なんと、次はバスケットボールのコートをバッティングセンターの近くに作りたいそうだ。バッティングセンター自体も更に進化させたいらしく、これからどのように進化していくのか注目である。


*この記事は2018年9月〜10月に岩手県雫石町地域おこし協力隊とTOHOKU360の共催で開かれた「東北ニューススクールin雫石」の受講生が取材・執筆した記事です。東北ニューススクールとは「住民が自らニュースを書く」ニュースサイト・TOHOKU360が東北各地で自分の街から価値あるニュースを発掘し、発信する力を持つ「通信員」を養成するために開催している講座です。

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