最高位戦日本プロ麻雀協会が「東北支部」を設立!その経緯とこれからを取材した

若栁誉美】日本の麻雀プロ団体である、一般社団法人最高位戦日本プロ麻雀協会(代表・新津潔氏、以下最高位戦)が、2022年1月に東北支部を設立した。東北支部初のプロテストを実施し合格者6名を迎え、以前よりプロ活動を行なっていた3名が移籍しリーグ戦もスタートしている。

設立から半年経った2022年7月に、東北支部支部長の坂本大志プロ、東北支部所属の庄子康平プロ、遠山智子プロにオンラインで取材を行った。

数年前から構想のあった東北支部設立

今年1月に、最高位戦の東北支部が設立されました。
設立の経緯を教えていただけますか。

実は数年前から、東北支部を設立する構想はありました。
最高位戦では十年ほど前から地方展開に力を入れており、関西・北海道・東海・新潟・九州と全国各地に本部や支部を発足。次は東北支部、というタイミングで新型コロナウイルスの感染拡大があり、後ろ倒しになっていたものが、今年1月(2022年1月)にやっと実を結んだ。

坂本大志プロ
坂本大志プロ

そうだったんですね。

支部ができると、その地方でプロテストを開催することができます。東北支部ができるなら、プロテストを受けたい、プロになりたい、という声もいただいていました。また、本部でプロテストを受け合格した東北在住のプロも何人もいましたので、そういった人たちの負担を減らすこともしたくて、このタイミングになりました。

坂本大志プロ
坂本大志プロ
2022年1月に開催された、最高位戦東北支部設立記念大会に参加をした、最高位戦所属のプロの皆さん

東北支部からプロを輩出

坂本さんは東北にゆかりやご縁があって、支部長に就任されたんですか?

実は全くないんです(笑)

坂本大志プロ
坂本大志プロ

あっ、失礼しました(笑)

いえいえ。
私の最高位戦での仕事が、運営競技と各地方本部支部と本部との連携なので、支部の立ち上げも僕が動いて作っています。

東北支部は第1期のプロが6人と移籍組が何人かいますが、最初から運営を任せるのではなく、スタートは自分が関わって、これからプロテストの回数も会員も増えていって、組織として回せる人も出てきたら、こちらのプロに譲りたいです。だいたい3年くらいでそうなるといいな、と思います。

坂本大志プロ
坂本大志プロ

庄子プロは、1月に開催された東北支部初のプロテストを受験して合格、晴れて東北支部の1期生になられたんですよね。おめでとうございます。

ありがとうございます。
東京で暮らしていた時期があり、その時から最高位戦に入りたいと思っていました。ただ、当時はリーグ戦(*)が平日だったんで、それで諦めたんですね。

今回、東北に支部ができると聞いて調べたら、リーグ戦の日程も変わっていて、これなら参加できる!と思って受験しました。

庄子康平プロ
庄子康平プロ

(*リーグ戦:所属選手がA1〜D3までのランクごとで対戦する。ランクにより半年か通年で降昇級が決まる。)

2018年の「美しい津軽塗の麻雀牌が人気 青森のプロ雀士が津軽塗職人とコラボ」 こちらの記事でも登場していただいた遠山プロも、最高位戦所属でしたね。

はい、プロテストに合格した時は東京に住んでいて、本部に所属していました。その後実家のある青森に戻りましたが本部所属のままで、今回、東北支部に移籍しました。

遠山智子プロ
遠山智子プロ

麻雀プロになろうと思ったきっかけは?

みなさん、どういったきっかけで麻雀プロを志したのでしょうか…?

現在Mリーガーとして活躍している園田(園田賢プロ=最高位戦所属・Mリーグでは赤坂ドリブンズ所属)と学生時代に知り合いで、彼に誘われた大会でたまたま決勝まで勝ち残ったんですね。決勝は、広い麻雀店の中の一卓だけを使ってやるわけですが、自分のいるところにだけスポットライトが当たっているような感覚がありました。普段の麻雀とはもう全然違って、麻雀ってこんなにしびれるゲームなんだ、って感動して、そこから麻雀に一生をかけてみようかなと。

坂本大志プロ
坂本大志プロ

自分にだけスポットライトが当たっている感覚、舞台やライブのようですね。

そうですね。最高位戦に所属しているプロ雀士を紹介する「FACES」というコンテンツがあって、先日私も取材を受けたところでした。そこでより深くお話しているので、読んでいただければ幸いです。

坂本大志プロ
坂本大志プロ

庄子プロはいかがですか?

元々は社会人1年目から興味を持って、ずっと放送番組を見ていたんです。
当時遊びに行っていた麻雀店のスタッフが最高位戦の選手が多く、リーグ戦のルールはこういう感じなんだよ、っていう話をしつつ教えてもらってました。

その時点でプロ試験を受けるチャンスはあったのですが、当時はリーグ戦が平日の日中開催でした。会社員が平日の対局に継続して参加し続けるのは厳しい、と諦めました。ここで先ほどの話と繋がりますが、今回東北支部ができることを知って、障壁がなくなったのでプロテストを受験しました。

庄子康平プロ
庄子康平プロ
https://twitter.com/saikouisenTHK/status/1507976942527860738
リーグ戦の様子

遠山プロは弘前市在住で女性専用の麻雀教室も経営されていますが、プロになったきっかけや麻雀教室の経営をしようと思った経緯を教えていただけますか。

きっかけは、東京での会社員時代、麻雀が好きで覚えたくて仕事後に毎日麻雀を打っていたのですが、最高位戦の小池美穂プロから「毎日麻雀をやるなら、プロになってみては?」と声をかけていただいたことですね。

麻雀教室の経営は、女性が気兼ねなく麻雀を打てる場所、会員同士でわからないところを教えあえるような、和気藹々とした雰囲気の場所を作りたくて始めました。

遠山智子プロ
遠山智子プロ

「東北の麻雀熱を高められるように」

今後のご自身の目標や、東北支部をこれからどんなふうに盛り上げていきたいか、を教えてください。

最高位戦を選んだのは、地方出身の選手でも最高位(*)への道を切り開くことができる、というのも一つの要因です。僕自身入る時に最高位を目指して入会していますので、リーグ戦で一つでも多く勝って順位をあげて、昇級していくのが第一の目標です。

庄子康平プロ
庄子康平プロ

最高位:最高位戦のリーグ戦で、トップのA1リーグ上位3名と前年の最高位が戦う「最高位決定戦」で優勝した人に与えられる称号。

あとは、プロになってから思うことですが、今回のプロテスト受験にあたり、最高位戦のルールやマナーなど、先輩に教えてもらうことがたくさんありました。東北の麻雀界に対して恩返しする気持ちで、東北の麻雀熱を高められるように貢献していきたいです。

庄子康平プロ
庄子康平プロ

自分の拠点(弘前市)と仙台では距離がありますが、東北支部を盛り上げるために、できるだけのことはやりたいと思います。

自分の目標で言うと、選手として成績を残すことももちろんですが、自分のお店を盛り上げて、麻雀を普及したいです。そして、自分のお店からプロを輩出したいです。

遠山智子プロ
遠山智子プロ

現状『観戦に来てください』と言えない状況ですが、状況がよくなった時には観に来てほしいです。

プロになりたい人はリーグ戦を見に来てもらいたいですし、麻雀を覚えたての人は、みんなどれぐらいのレベルでやってるのか、プロアマリーグ(*)をどんな感じでやってるのか観ていただきたいですね。これぐらいのレベルだ、ってわかっていれけば、参加するハードルが下がると思います。

坂本大志プロ
坂本大志プロ

情報が溢れ、娯楽の選択肢が増える現状ではあるが、筆者の思う麻雀のよいところは「幅広い年齢層の方と交流ができる」「技術や知識に加え運要素もあるテーブルゲームなので、奥深い」ところであろうか。この記事がきっかけで、麻雀のプロリーグがあること、東北に支部があることなどを知るきっかけになれば幸いだ。

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