コロナ禍でも仙台七夕を味わう街歩き。「“勝手に”仙台七夕まつりガイド」に参加してきた

平塚千絵(仙台市)】東北三大祭りの一つ、「仙台七夕まつり」。今年は、残念ながら新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催中止となりました。例年であれば、初日を迎えるはずだった8月6日、「“勝手に”仙台七夕まつりガイド」という街歩きのイベントが行われました。

七夕を共に楽しめるイベントを開催

イベントを企画したのは、風の時編集部代表の佐藤正実さんです。佐藤さんは、仙台にまつわる書籍の発行、古地図の復刻、古い写真や8ミリ映像の収集・保存など、地域に根ざした幅広い活動をされています。

2006年に『仙台七夕まつり七夕七彩』という本を発行し、それ以後も七夕まつりの撮影を続けるうちに、「その年ごとに飾りに変化があるなど、七夕の魅力を感じた」と話します。そして、「仙台七夕に興味を持つ人たちと一緒に楽しみたい」という思いから、5年前より毎年8月6日に、仙台七夕についてガイドする、街歩きのイベントを開催しています。

始めに、佐藤さんより仙台七夕の歴史についてお話がありました。仙台七夕は、かつては家族ぐるみで飾りを作っていた祈りの祭りでした。その過程で針と糸を使う必要があったり、短冊に筆で願い事を書いたりしたことで、子どもたちが親から裁縫や書道を習う機会になりました。そして、昭和3年に商店街の景気回復策として「第1回全市七夕飾りつけコンクール」を開催したのを機に、時代とともに現代のような豪華絢爛なお祭りへと形を変えていったようです。

その後、佐藤さんの案内で、仙台朝市~仙台駅~名掛丁~新伝馬町~大町~一番町~仙台市役所のルートを歩きました。

疫病退散の願いも―仙台朝市

仙台朝市は、多くの買い物客で活気に溢れていました。店先に七夕飾りをつけているお店が多くみられます。中でも過去に何度も金賞を受賞している、青果物店の今庄青果の飾りは、ひときわ買い物客の目を引くものでした。

店内の飾りはすべて、御年84歳の社長の手作りで、「今年は7月から作り始め、連日夜中まで作業した」と話します。例年、七夕終了後は「七夕に来られない人たちにも楽しんでもらいたい」という思いから、七夕飾りを福祉施設に寄付しているそうです。そして、自身は規模の大きな飾りを作るため、七夕の翌月9月から次の年の飾りの準備を始めているのだとか。きっと楽しみにしている人も多いことでしょう。来年の開催を願わずにはいられません。

また、朝市の一角には、「七夕飾りを作るプロジェクト」による疫病退散の願いが込められた「祈りの折り鶴」が飾られていました。

(50名を超える有志の思いが詰まっています)
(切実な願いです)

仙台空襲爆心地には「平和七夕」が

仙台朝市から、仙台駅を通り、クリスロード商店街へ。例年、イオン仙台店のアーケード側入り口付近には「平和七夕」が飾られています。全国各地から送られてきた千羽鶴をつないで、吹き流しを作ったものです。

なぜ、この場所なのか。答えは「仙台空襲の爆心地になったからです」と佐藤さん。付近にあるビルには「仙台空襲を記録する場」を示すプレートが設置されていました。参加者の方からは「知らなかった」という驚きの声があがりました。また、広島平和記念日だったのもあり、思いを馳せる姿が見受けられました。

(プレート。桜井薬局ビルに設置されています)

なお、今年の平和七夕は、仙台市役所ロビー(他10か所)に飾られています。

七夕の「原点に戻った気がした」

今年の飾りは、例年見られるような華やかさはなかったものの、店独自で店先に七つ飾りを飾りつけた笹や、小学校で作った笹飾りが見られました。短冊には無病息災や世界平和を願うものも多く見られました。最後に感想をシェアした際、参加した方たちからは「着実に伝統を守る姿が見られました」「原点に戻ったような気がしました」といった声が聞かれました。

(骨董店「金源堂」の飾り。店先にある竹に、七つ飾りを飾りつけたもの)

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