【連載】シニアネット仙台2016 高齢社会の自立をデザインする(4)
シニアネット仙台のリーダーにインタビューの約束を取り付けようと、月曜日の昼近く「一番町サロン」を訪問しました。いつものようにオフィスビルの8階でエレベーターを降りました。ドアを開けると、視界に飛び込んできたのはリラックスした様子で麻雀を楽しむ女性たちの笑顔でした。【佐藤和文:メディアプロジェクト仙台】
男もすなる健康麻雀
もちろん男性もいるのですが、どう見ても少数派です。1995年(平成7年)の設立以来、シニアネット仙台の現場では、組織の運営や多様な活動の場面で女性たちが重要な役割を果たしてきました。女性たちが元気なのは今さら言うまでもないことです。それでも、平日、しかも月曜日の午前中から麻雀に興じる女性たちの表情は、長い会社勤めを終え、5年たっても、いまだに「男社会」の根っこを引きずっている身には、とてもまぶしいものでした。
この日はシニアネット仙台の「杜の都の麻雀会議」入門教室の定例日でした。「杜の都の麻雀会議」は28の活動グループの一つです。自宅にこもりがちになるシニア世代に週に一度は街に出てもらおうという趣旨で始まりました。賭け、アルコールは禁止。いわゆる「健康麻雀」のルールに沿って運営されています。長寿社会文化協会(Wonderful Aging Club=WAC)が導入した仕組みを参考に、仙台市内の麻雀荘の協力を得て2000年(平成12年)に始まりました。シニアネット仙台の各種活動の中では、歴史が古く老舗的な存在でもあります。
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