TOHOKU360では2019年11月、twitter上で今年の「東北流行語大賞」の候補ワードを募集しました。編集部では皆様からのたくさんのご応募の中から、11月23日に仙台市で開かれた「仙台メディアフェスティバル」での来場者投票の上位ワードを中心に以下15ワードを今年の「東北流行語大賞」のノミネート語に(勝手に)選出いたしました。これより12月15日まで、web上での決選投票を行います。記事最下部の投票コーナーより、お一人につき3票、票を入れて下さい。皆様が選んだ今年の「東北流行語大賞」は、12月16日に発表予定です!
1. ラグビーW杯釜石
【解説】ラグビーワールドカップが日本で開催された2019年、ラグビーのまちとして知られる岩手県釜石市も開催場所の一つとなり、フィジー対ウルグアイ戦で1万4千人以上を動員するなど現地は大いに沸いた。会場となった釜石鵜住居復興スタジアムは東日本大震災後の復興の象徴として今回のW杯に向けて新たに整備された施設で、釜石市では市内を訪れる国内外の人々に震災の記憶や防災を伝えることも重視された。期間中に釜石市は台風19号でまたも被災し、開催予定だったナミビア対カナダ戦が中止になったが、カナダやナミビアの選手たちが現地でボランティア活動をしたことも世界的な話題となった。大会後のワールドラグビーによる年間表彰式で、釜石市は震災からの復興の取り組みや期間中のおもてなしなどが評価され「キャラクター賞」を受賞した。(安藤歩美)
2. まるもり復活劇
私たちがこの活動を始めたのは、「丸森を復興させたい」という思いだけでなく「台風の影響を受け変わり果てた丸森を知って欲しくない」という思いからでもあります。丸森は暖かい町でいつも私たちの生活を守ってくれました。今度は私たちが丸森を助けたいです。添付している写真をご覧下さい🙇♀️ pic.twitter.com/6ZDhcKa2bq
— まるもり復活劇 (@marumori__hs) October 18, 2019
【解説】2019年10月の台風19号による豪雨で東北地方は大きな被害を受けた。宮城県丸森町も甚大な被害を被ったが、「台風で変わり果てた町を一日でも早く復旧させたい」という町内在住の高校生の思いから「まるもり復活劇」という活動が始動。 InstagramやTwitterでの「#まるもり復活劇」のハッシュタグを通しての呼び掛けに、多くの中・高校生が活動に関わった。活動では泥のかきだしや救援物資の搬入を行う傍ら、SNSを使った支援情報の提供や、「自然豊かで美しい、町の本来の姿を知って欲しい」と、被災前の町の風景写真を発信している。 この様子はテレビでも全国放送され、多くの人々の共感を呼んだ。(平塚千絵)
3. 三陸鉄道リアス線
岩手県内の三陸海岸を縦断する鉄道路線で、第三セクターの三陸鉄道が運行する。NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』に登場する「北三陸鉄道リアス線」のモデルとしても有名。現在のリアス線は、もともと三陸鉄道が運行する「北リアス線」「南リアス線」と、JR東日本が運行する「山田線」の一部区間(宮古〜釜石間)に該当する。2011年の東日本大震災で、これらの路線の多くの区間が津波による被害を受け、流出する駅も多数にのぼった。最終的に、JR山田線の宮古〜釜石間の運行を三陸鉄道に移管する形ですべての路線が統合され、2019年3月23日に「リアス線」として全線の営業が再開された。 その後、同年10月には台風19号の影響により一部区間で土砂が流入し一部区間が運行できなくなるなど、厳しい状況が続いているが、岩手県沿岸部の復興のシンボルとして地域住民や全国の方々から愛される存在になっている。(漆田義孝)
4. 令和の怪物
【解説】岩手県立大船渡高校3年の佐々木朗希投手は、新元号「令和」の怪物と呼ばれ注目を集めた。 4月に球速163キロを記録。大谷翔平選手(米・エンジェルス)に続く岩手県の逸材として全国的に注目されるようになり、夏の甲子園予選には毎試合大勢の観客が押し寄せた。 佐々木投手は陸前高田市出身で、東日本大震災で被災。「地元の仲間と甲子園へ」という思いで大船渡高に進学した。被災地の希望の象徴として、地元からはひときわ熱い声援が送られた。 大船渡高は佐々木らの活躍で順調に勝ち進んだが、決勝戦では佐々木投手が出場せずに敗退したことで、起用の是非も議論を呼ぶこととなった。 来シーズンは千葉ロッテマリーンズへの入団が決定し、今後の活躍にも注目が集まりそうだ。(佐々木佳)
5. 吉田輝星選手プロデビュー
【解説】2018年夏の甲子園で準優勝し、秋田県をはじめ全国に旋風を巻き起こした秋田県立金足農業高校のエース・吉田輝星投手は2019年シーズン、北海道日本ハムファイターズに入団。6月12日、プロ入り初先発のマウンドで、当時セ・リーグ首位の広島相手に5回1失点の好投で初勝利を手にした。 秋田市中心部では試合のパブリック・ビューイングが行われた。800人以上の市民が詰めかける盛り上がりで、昨夏の「金足旋風」の熱狂を思い出させるものとなった。(佐々木佳)
6. カニマンボ
アフリカ・モザンビークの現地語で「ありがとう」の意味。 ベガルタ仙台に2019年シーズンに加入したシマオ・マテ選手はモザンビーク出身。加入当初から「カニマンボ」の挨拶はその絶妙な語感の良さから注目され、「島尾摩天」の当て字とともに、すぐにサポーターに親しまれるようになった。 シマオ選手はピッチでも大活躍。6月にはJ1の月間MVPにも選ばれた。苦しい場面の多かったチームを何度となく救い、「カニマンボ!」を叫ぶサポーターが続出。スタジアムでは「カニマンボ」タオルなどのグッズが販売され、ツイッターでもシマオ選手の活躍のたびにハッシュタグ「カニマンボ」が盛り上がりを見せた。(佐々木佳)
7. 逆転イーグルス
【解説】プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの逆転勝利の多さから、メディアやファンがつけた愛称。 2019年シーズン前半は一時首位に立つなど好調だったイーグルス。特に、先発投手が失点を許してもその後逆転する勝利が多く、5月29日時点では、それまでに挙げた26勝のうち16勝が逆転勝ちだった。特に5月15日の日本ハム戦では、最大8点差をひっくり返す球団新記録も樹立。「先にやられても、最後には勝てる」という、ファンの期待を膨らませたシーズンとなった。(佐々木佳)
8. 山形のタピオカ
【解説】全国的なタピオカブームが巻き起こった2019年、山形ではあの県民の伝統的ソウルフードが意外な形で脚光を浴びることに。しょうゆなどで煮込んだ味の染みた丸いこんにゃく「玉こんにゃく」。これを「山形のタピオカ」としてTwitterで投稿する人が現れると大きく拡散され、玉こんにゃくのことを「山形のタピオカ」と呼ぶ山形県民が続出した。
用例:山形のタピオカはカロリーが低いので何個でも食べられる。
用例:寒くなってきたので山形のタピオカに辛子をつけて食べたい。
(安藤歩美)
9. タピオカずんだシェイク
【解説】「新語・流行語大賞」の2019年ノミネート語でもある「タピる」。タピオカブームは、当然東北・仙台にも上陸し、タピオカ入りのずんだシェイクも登場した。元祖「ずんだシェイク」でおなじみの“ずんだ茶寮”(菓匠三全)では「ずんだシェイク タピオカ」を販売しているほか、“お茶の井ヶ田 喜久水庵”で発売した「ブラックタピオカずんだシェイク」が全国ネット朝の情報番組『ZIP!』で取り上げられた。映画『アイネクライネナハトムジーク』主演の多部未華子さんと三浦春馬さんが放送内で仙台グルメを食べ歩き、舞台挨拶でも多部さんが再びその美味しさを絶賛したことから大きな反響を呼んだ。(渡邊真子)
10. アイネクライネナハトムジーク
【解説】2019年9月20日に全国公開(9月13日宮城県先行公開)された在仙人気作家・伊坂幸太郎さんの同名小説が原作の実写映画。主演の三浦春馬さん、多部未華子さんをはじめ、さまざまな登場人物との出会いが重なる10年越しのラブストーリー。原作者からのラブコールで、『愛がなんだ』で話題を呼んだ今泉力哉さんが監督を務め、音楽は、伊坂さんが大ファンを公言する斉藤和義さんが担当。『アイネクライネナハトムジーク』は2014年に単行本としてリリースされたが、斉藤和義さんの楽曲とのコラボ企画として2007年に伊坂さんが書き下ろした短編小説がもとになっている。映画は、オール仙台・宮城ロケで撮影され(主題歌『小さな夜』のMVも)、仙台駅前のペデストリアンデッキなど、仙台市民には見慣れた景色が多く登場する。仙台出身の女優・モデルの森絵梨佳さん、お笑い芸人サンドウィッチマンも出演。「仙台シネマ」認定6作目の作品。(渡邊真子)
11. 八戸は青森のハワイ
青森県のご当地アイドル・ダンス&ボーカルユニット「RINGOMUSUME(りんご娘)」のメンバーで、全国的な知名度を誇る王林さんの発言。日本テレビの番組『誰だって波瀾爆笑』に出演した際の一言が話題となり、その後Twitter上でこの発言のハッシュタグに合わせて写真を投稿する人が続出した。八戸市は太平洋に面しており、青森県の中では比較的気温が高く、降雪量も少ない。りんご娘の活動拠点、及び王林さんの出身地は、より内陸で寒さや降雪の厳しい弘前市であるため、弘前市と八戸市を比較してこのような発言に至ったと思われる。八戸市には、作家・司馬遼太郎氏が紀行文集『街道をゆく』の中で「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき、一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした」とその美しさを称えた種差海岸があり、北国でありながらハワイの風景のような写真を撮ることも可能……かもしれないので、ぜひ皆さんも足を運んでほしい。(漆田義孝)
12. 表参道がむしろ仙台
【解説】ジャニーズ事務所所属タレントで、現役デビュー組唯一の東北出身者である“Hey! Say! JUMP”の八乙女光さん(宮城県富谷市出身)が、2019年10月29日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で放ったひとこと。その日の放送では、北海道・東北出身の芸能人が集結したスタジオで、お国自慢のトークバトルが繰り広げられた。街の賑やかさやショップの多さについて、仙台出身(※大半の富谷人は「仙台出身」と言う)の八乙女さんは「仙台駅周辺はほぼ表参道なんですよ」「表参道がむしろ仙台」と主張。また八乙女さんは「いち、に、さん、し、ご、ろく、すづ、はづ」と東北訛りのカウントを披露。「すづ、はづ」がMC明石家さんまさんのツボに見事にハマり、その日の「踊る!ヒット賞!!」を受賞し、ジャニーズアイドルでありながら番組に爪痕を残した。(渡邊真子)
13. ラヂT
【解説】発売1カ月で完売した、飯坂温泉の定番お土産「ラヂウム玉子」の包み紙イラストをそのままデザインしたTシャツ。ラヂウム玉子を開発した福島県福島市飯坂町(飯坂温泉)にある阿部留(あべとめ)商店が販売している。2018年10月に六本木ヒルズで開催した福島フェスでスタッフ用のオリジナルTシャツを作成したところ反響が大きく「喜んでいただきたくて一般販売を決めた」と営業企画担当の奥田健(たける)さんは話す。2019年1月末に一般販売を開始したところ、2月下旬には完売。3月に再販した後も反響は続き、お客様の要望に応える形で7月にキッズ用の小さめのTシャツを追加販売した。タレントのなすびさんやあばれる君、イラストレーターの佐藤ジュンコさんなど有名人、一般の方からも着用した画像がSNSに投稿され、話題となった。色は包み紙同様、赤、青、黄色の3色。一番人気は赤色だという。サイズは各色S、M、L、XLを用意している。奥田さんは「ご要望があれば他のグッズ製作も検討し、購入した方に喜んでもらえるよう頑張りたい」と話す。(阿部哲也)
14. ケヤッキー
【解説】宮城県の県木・ケヤキをモチーフとした、2001年の第56回宮城国体のキャラクター。仙台市のイラストレーター樽井純生氏によってデザインされた。国体以降は、会場となった体育館やホールにひっそりとその像が存在しているのみだったが、2014年にTwitterアカウント「おいでよ宮城」がアカウントのアイコンとして使用、認知度が少しずつ上がる。現在では版権所有者の同意を得て「おいでよ宮城」の公式キャラクターとして活躍。2019年はゆるキャラグランプリにも出場、全国19位・宮城県キャラで2位と堂々の成績を残した。着ぐるみも新調され関連グッズも販売されるなど、ケヤッキーの「復活」が何かと話題となった一年になった。(若栁誉美)
15. いわきFC
【解説】2019年11月、「いわきFC」は全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)で初優勝を飾り、J3の一つ下にあたるリーグ「JFL」への昇格を果たした。経営陣が変わった新体制でトップリーグのJ1から数えて8部にあたる「福島県2部」からスタートし、わずか4年でJFLに昇格したことや、地域CLを無敗で優勝したことが話題となった。福島第一原発事故後に事故の収束作業の拠点として使用され、今年4月にようやく全面再開するに至ったJヴィレッジ(福島県楢葉町)が今年の地域CLの決勝ラウンドの開催場所となり、そのJヴィレッジで福島・浜通りのいわきFCが優勝を飾ったことも地域の人々を熱く盛り上げた。(安藤歩美)
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